頭皮

「頭皮の皮脂でハゲる」は嘘?本当?

「ハゲ」という言葉にピクリと反応してしまう方も多いのではないでしょうか?基本的に頭皮や髪の悩みというのは、とてもデリケートなものです。それゆえに、誰にも相談できず、ひとり黙々とインターネットで知識を集めているという方も多いかと思います。
ただ、髪や頭皮に関する情報の中には、噂が独り歩きしているようなものも少なくありません。そのひとつに「頭皮の皮脂でハゲる」という噂があります。ここでは、この噂の真偽についてお話ししていきたいと思います。

ずばり!頭皮の皮脂とハゲの関連性は?

頭皮の皮脂によってハゲると思っている方も多いのですが、実は頭皮の皮脂でハゲるということはありません。というのも、もともと皮脂というのは頭皮にとって必要なものですし、誰にでもあるものです。皮脂でハゲるのであれば、それこそ性別や年齢に関係なく全人類がハゲているはずです。
頭皮の皮脂が問題になるとすれば、それは皮脂がまったくなくなってしまったときか、皮脂が過剰に分泌されてしまったときです。皮脂がまったくなくなれば頭皮のバリア機能も失われるわけですから、頭皮はダメージを受け放題になります。当然、弱ってハゲるリスクを高めることはあるでしょう。
皮脂の過剰分泌に関しては、頭皮の菌のバランスが崩れて、皮膚炎などになる可能性が出てきます。脂漏性皮膚炎などはよくある話ですし、この脂漏性皮膚炎から脱毛症に発展することもあります。このように頭皮の皮脂が問題になってくるのは、なさすぎるかありすぎるかのどちらかなのです。

「皮脂=悪」はシャンプーメーカーの広告の影響だった!

基本的に頭皮にとって皮脂というのは必要なものであり、問題はあるのは皮脂がなさすぎるときと皮脂がありすぎるときだという話をしました。ただ、世間的には「皮脂=悪」のイメージが浸透しています。なぜでしょうか?
それは、シャンプーメーカーの広告の影響です。シャンプーメーカーは、皮脂がいかにも悪者であるかのように謳い、その皮脂を落とすためにシャンプーを買わせようとしているのです。戦略といえば戦略なのでしょうが、人々の健康よりも自社の利益を重視しているということです。
たとえば、頭皮の毛穴に皮脂が詰まっている様子をさも悲惨な状態であるかのように説明し、その後のリスクを大袈裟に伝えるといった手法はよくあるものです。これもよく考えられていて、嘘はついていないけども人によっては勘違いしても仕方ないという微妙なラインを攻めているのです。「皮脂=悪」というイメージは、シャンプーメーカーの広告に世間が踊らされた結果というわけです。

皮脂は悪者どころか、天然のバリア!

シャンプーメーカーの広告に踊らされてしまい、世間的には悪者のイメージが定着してしまった皮脂なのですが、実際には悪者とは真逆の存在です。というのも、皮脂というのは悪者どころか、頭皮を守る天然のバリア機能を果たしているのです。「皮脂マジ天使!」と言われてもおかしくないくらいです。
頭皮というのは思っている以上に、さまざまな刺激にさらされているものです。空気が乾燥すればその影響も受けますし、日中であれば紫外線の影響も受けます。目には見えない細菌の侵入だって、皮脂があるからこそ防ぐことができるのです。

間違ったシャンプーで皮脂のバリア機能を低下させている人が多い!

皮脂は頭皮にとっての天然のバリアです。しかしながら、そのバリア機能を間違ったシャンプーで低下させてしまっている方も少なくありません。これはとてももったいないことですし、間違ったシャンプーはハゲのリスクを高めます。
シャンプーを直接頭皮や髪につけて、爪を立ててガシャガシャ洗っているという方や熱いお湯で洗い流しているという方、シャンプー後は自然乾燥という方はアウトです。皮脂のバリア機能をキープし、高めるためにも正しいシャンプーの仕方を実践していきましょう。以下にポイントをご紹介していきたいと思います。

自分に合った優しいシャンプーを選ぶ

まずは、シャンプー選びからです。頭皮をスッキリさせるために、洗浄力の強いシャンプーを選んでいる方も少なくありません。ただ、それでは必要な皮脂まで洗い落としてしまい、頭皮の乾燥を招きます。
今度はその乾燥から頭皮を守るために皮脂が過剰に分泌されるようになり、頭皮がベタベタになってしまいます。適度な皮脂があってこそバリア機能が発揮されるのですから、洗浄力の優しいシャンプーから選ぶようにしましょう。もちろん、自分の頭皮に合ったものを選びます。

シャンプー前にブラッシングと予洗い

シャンプーをする前に、ブラッシングをしておきます。ブラッシングの際に頭皮が傷つかないように、優しく丁寧におこなっていきます。ブラッシング後には、お湯のみで予洗いをおこなっていきます。
お湯は38度ほどのぬるめに設定し、指の腹を使って丁寧に優しく頭皮を洗っていきます。ブラッシングと予洗いによって、シャンプー前にざっと取れる汚れを落としておくのです。そうすればシャンプーを大量に使う必要もありませんし、時間も節約することができます。

手で泡立てたシャンプーで頭皮を優しく丁寧に洗う

ブラッシングと予洗いが終わったら、いよいよシャンプーです。シャンプーを頭皮や髪で泡立てるといったことはNGです。皮脂が取れ過ぎてしまいますし、シャンプーが毛穴に入り込んでしまいます。
シャンプーは手で泡立てます。しっかりと泡立てたものを使って、頭皮を洗っていきます。指の腹を使って、優しく丁寧に洗っていくのですが、極力摩擦が起こらないようにしましょう。頭皮を軽く押さえながら、小刻みに揺らすような感じで洗っていきます。

しっかりと丁寧にすすぐ

頭皮を洗い終えたら、すすぎです。すすぎは頭皮を洗うときと同じくらいか、それ以上に丁寧におこなっていきます。というのも、すすぎ残しがあると頭皮環境が悪化してしまうので、正しいシャンプーをしても意味がないのです。
すすぐときにシャワーを使う場合には、水圧に気を付けておきます。水圧が強いと水流で皮脂が一緒に落ちてしまいます。38度くらいの勢いの緩いシャワーですすぎましょう。

タオルドライ後にドライヤー

しっかりとすすいだら、タオルで髪を押さえるように水気を切ります。その後、ドライヤーで頭皮を乾かしていきます。ドライヤーは基本的に冷風と微温風を使い分けていきます。
20cm以上離して、1カ所にドライヤーが集中しないように髪の根元から乾かしていきます。毛先が多少湿っている分には構いませんが、頭皮はしっかりと乾かしておきましょう。あまり長時間ドライヤーをおこなうと頭皮が乾燥してしまいますので、スピーディーに終えることも大切です。

生活習慣にも皮脂のバリア機能は左右される!

先では間違ったシャンプーで頭皮の皮脂のバリア機能を低下させているという話をしましたが、皮脂のバリア機能は生活習慣にも左右されます。不健康な生活習慣を送っていれば、皮脂のバリア機能も低下してしまいます。つまり、その逆も言えるわけです。
栄養バランスのとれた健康的な食事、適度な運動、十分で質のいい睡眠、ストレス発散といったものを心がけていけば、皮脂のバリア機能もキープすることができますし、高めることもできるのです。健康な頭皮は健康な体から、健康な体は健康な生活習慣から生まれるものです。

ハゲを招くのはジヒドロテストステロンだった!

男性ホルモンの一種にテストステロンというものがあります。このテストステロンは5αリダクターゼという酵素の働きによって、ジヒドロテストステロンというものに変えられてしまいます。このジヒドロテストステロンがハゲを招くのです。
これはAGAでよく知られている男性型脱毛症のメカニズムでもあります。ちなみに、生え際や頭頂部がハゲてきているのであれば、高確率で男性型脱毛症だと考えていいでしょう。このジヒドロテストステロンは、ハゲを招く以外にもある働きがあります。
それは皮脂の分泌を増やすというものです。一般的には皮脂が多いからハゲると思われているのですが、ジヒドロテストステロンの影響でハゲて皮脂も分泌されているというのが正解なのです。ハゲている人に油ギッシュなイメージがついているのもこのあたりの影響かもしれません。

まとめ

「頭皮の皮脂でハゲる」という話が本当であれば、今頃、世界各国老若男女問わず誰もがハゲています。皮脂が問題になるのはあくまでもありすぎたり、なさすぎたりするときだけです。ハゲを招くのはジヒドロテストステロンという男性ホルモンになりますので、「皮脂=悪」というシャンプーメーカーの広告に騙されないようにしましょう。