コラム

AGAプロテインとは何か、どんな効果があるのか

前髪が後退してくる、頭頂部が薄くなる、これはいずれもAGAの典型的な症状です。残念ながら日本では薄毛に対してのイメージは非常に悪く、薄毛の状態で生きていくのはなかなか大変なのが実情です。いっそのこと開き直ってスキンヘッドにするなんて手もありますが、会社勤めをしているならそれも厳しく、どうしていいか分からずに困っている人も珍しくはありません。AGAの治療を手がけているAGAクリニックは全国に多くあり、薬による治療などが行われています。このAGAクリニックに通って薄毛を改善するのが基本ではあるものの、育毛剤や発毛剤など民間療法を試してみる手もあり、育毛シャンプーのスカルプDはコマーシャルなどで名前を聞いたことがある人も多いはずです。このスカルプDを発売しているのはアンファー株式会社ですが、こちらの会社はスカルプD以外にもagaプロテインという商品を発売しています。

AGAプロテインとはどんな商品か?

プロテインは厳密にはタンパク質そのもののことを指しますが、一般的にはタンパク質を主成分としている筋肉のためのサプリメントと認識されていて、体内では合成できない必須アミノ酸を多く摂取できるのが魅力です。AGAと筋肉には直接的な関係はなく、あえて関係を探すなら筋トレをすると男性ホルモンのテストステロンが増えやすいといった程度です。どうしてAGAの治療にプロテインが関わってくるのか、それは髪の毛がタンパク質でできていることと関係しています。体のほとんどの部位にはタンパク質が関係しているので、髪の毛に限った話ではありませんが、それでもタンパク質不足の影響は避けなければいけません。いくら適度な運動を心がけていても、タンパク質が不足していては薄毛の悪化に繋がる恐れがあります。
アンファー株式会社はAGA専門の会社ではなく、エイジングケアの化粧品や健康食品などさまざまな商品を送り出していますが、agaプロテインは2015年に発売されました。スカルプDシャンプーと同じく、AGA対策の商品として確固たる地位を築いているのですが、このアンファー株式会社のプロテインはメンズヘルスクリニック東京と共同で開発されています。城西クリニックとして1999年に開院し、2014年よりメンズヘルスクリニック東京と名前が変わりましたが、このクリニックは日本で初めての頭髪治療専門病院として開院しました。1999年からずっと薄毛の治療に当たってきたという豊富な実績がありますが、このメンズヘルスクリニック東京とアンファー株式会社がタッグを組み、AGAのためのプロテインが誕生しました。育毛剤はドラッグストアでもよく見られるように、色々なメーカーから発売されていますが、プロテインの形でAGAの治療を助けてくれる商品は、他に類を見ません。

どんな働きをしてくれるのか?

AGAで悩んでいる人向けに作られているので、普通のプロテインとは異なる部分もありますが、タンパク質を摂取するのに向いている点は同じです。髪の毛の原材料でもあるタンパク質を効率よく摂取することで髪の毛の成長を促す、これが基本的な効果です。AGAは食生活とも大きく関係しており、バランスよく食事から栄養素を取り入れるのが理想ではあります。しかし、現代社会では会社の勤務時間の長さといった理由で、栄養面で満足いく食事をなかなか用意するのが難しいのが実情です。そのため、いつもコンビニ弁当やスナック菓子を食べているなど大人の男性でも偏食気味の人が多く、このような食生活はAGAを引き起こす要因になりかねません。野菜が苦手な人と比べると肉類が苦手な人は少ないものの、それでも大豆が苦手などの理由でタンパク質不足に陥っているなら髪の毛の発毛は期待できないので、プロテインで効率よく摂取するのも有効です。
もっとも、AGAの人を対象に作られているプロテインとは言え、クリニックで処方される薬と比べると効果は劣ります。AGAの薬は臨床実験を経て効果が確認されていますが、agaプロテインはあくまである会社が販売している健康食品の一種です。病院で処方される薬やドラッグストアで購入できる薬は医薬品に、人体に効果は見られるものの効き目が緩やかなものは医薬部外品に分類されますが、健康食品にそのような分類はありません。そのため、プロテインを使用したら必ず毛髪が成長する、そのような過度な期待をしてはいけません。プロテインの役目は、あくまで栄養素の面で発毛の補助をすることなので、他の改善方法は必須です。AGAクリニックで処方されるAGAの薬、注射などの方法で頭皮に薬を注入するメソセラピー、それに育毛剤など選択肢は色々とあります。

含まれている成分について

これらの治療法だけでももちろん発毛には期待が持てるのですが、さらに栄養面でのサポートをしてくれるプロテインを取り入れるのもよいでしょう。筋肉増強などの目的で使われているプロテインと同じように、AGAプロテインの主成分もアミノ酸です。アミノ酸はタンパク質を構成している成分のことで、アミノ酸がどのように繋がっているかによってタンパク質の種類も変わってきます。タンパク質を構成する最小単位がアミノ酸であり、効率よく栄養を摂取する上では非常に重要です。効率よくタンパク質を摂取するなら肉類を多く食べればいいのではないか、そう考える人もいるかもしれませんが、タンパク質はそのまま栄養素として体内で使われるわけではありません。体内でアミノ酸に分解されてから、再びタンパク質が形作られるので、最初からアミノ酸で摂取する方が遥かに効率的です。
体内で使われるアミノ酸は全部で20種類ですが、発毛に大きく関わっているのがシスチンです。シスチンは体内で作られない必須アミノ酸ではありませんが、髪の毛の構成しているケラチンタンパクはシスチンを多く含んでいます。そのため、普通のプロテインと比べてシスチンを多く配合しているのがAGAのためのプロテインの大きな特徴です。さらに、代謝に大きく関わっているビタミンBも多く含まれており、細胞分裂を促す上では欠かせません。ビタミンBが不足していると、タンパク質に問題がなくても髪の毛には悪影響が出る恐れがあります。特に、ビタミンBの一種のビオチンはケラチンタンパクの合成を助ける働きがあるので、非常に重要です。
ビタミンBと同様に細胞分裂を助ける働きがあるのがミネラルの亜鉛で、こちらも不足すると抜け毛の増加に繋がりかねません。ミネラルは現代人に不足しがちな栄養素で、中でも吸収率が30%程度とかなり低いのが亜鉛です。プロテインにはこの亜鉛も多く含まれており、AGAを間接的に引き起こす酵素である5αリダクターゼの働きを阻害する、ハーブのノコギリヤシも配合されています。他にも筋力増強に効果的なアミノ酸のアルギニンやシトリニンなど、男性にとって嬉しい成分が多く含まれているのが魅力です。

飲み方で気を付けたいポイント

アミノ酸を多く含んでいるプロテインはタンパク質を増やす上で非常に役立ってくれますが、それでも何も考えずに飲むのと、しっかりと正しい飲み方を意識するのとでは大きな違いが生まれます。薬は食前、食後など飲むタイミングが決まっているものが多いですが、健康食品には明確な使用方法がありません。しかし、メーカーによる推奨の飲み方は存在するので、そちらを意識して飲むのが基本です。このAGAのためのプロテインは1日1回、もしくは2回の使用が推奨されていますが、まずは飲み忘れのないように意識してください。
そして、飲むタイミングで押さえておきたいのは夜で、いわゆるゴールデンタイムを逃さないようにするのがポイントです。ゴールデンタイムとは成長ホルモンがよく分泌される時間帯のことで、一般的には夜の10時から深夜2時くらいにかけてとされています。しかし、この情報が正しいなら、夜勤でその時間に働いているならゴールデンタイムの恩恵をまったくうけられません。実際には、睡眠から3時間くらいがもっとも成長ホルモンが分泌され、時間帯はあまり関係ありません。そのため、あまり細かいタイミングは気にしなくていいですが、睡眠時のゴールデンタイムに合わせてプロテインを摂取するのがポイントです。成長ホルモンを分泌させるには深い眠りにつくかが重要なので、パソコンやスマートフォン、テレビなど刺激を受けるものを睡眠の前には避けるのも手です。
1日に2回飲むならもう1回は栄養摂取の効率がよい朝がよく、飲み忘れのないようにしてください。ランニング、ウォーキング、筋肉トレーニングなど、毎日何かしらの運動をしているなら、その運動直後にプロテインを摂取するのも効果的です。普通のプロテインと同じく水や牛乳に溶かして飲むのですが、溶けにくいのでシェイカーを用意すると楽です。ドラッグストアなどでプロテインのためのシェイカーは販売されており、プロテインと水や牛乳を混ぜて振るだけでしっかりと飲みやすい形にしてくれます。ヨーグルト味、カフェオレ味のように味はついているので、普通に水と混ぜるだけでも十分に飲みやすい味に仕上がるものの、牛乳やジュースなどと混ぜて好みの味に仕上げて飲んでも大丈夫です。飲みにくければどうしても習慣として根付きにくいので、まずは飲みやすい形でしっかりと習慣づけるのがポイントです。

副作用は存在するのか

先に書いたようにAGAプロテインは健康食品ですが、健康食品にはそもそも副作用はありません。副作用とは薬を服用した時に、目的以外の好ましくない悪影響が出ることを指しますが、健康食品はあくまでただの食品なので、そのような悪影響は基本的に出ません。もっとも、普通の食べ物であってもアレルギーを持っていれば深刻な症状が出ますし、多くの食べ物に含まれているビタミン類も過剰に摂取すれば悪影響が出るのは事実です。そういう意味では、プロテインもまったく副作用がない食品ではありませんが、それを言い出すとキリがありません。
一応、プロテインを摂取する時に気を付けるポイントを挙げると、まずはタンパク質の過剰摂取です。タンパク質の過剰摂取自体は健康に悪影響があるとは認められてはいないものの、日本ではタンパク質の平均必要量は男性で1日50gと設定されています。余ったタンパク質は脂肪とは違って体内には留まらず窒素に分解され、後にアンモニアに変わって排出されるので、この過程で内臓に負担をかける恐れがあるのです。この内臓への負担はあくまで危険性がゼロではない程度のものですが、より深刻なのは運動不足のケースです。
カロリーはさほど大きくはありませんが、それでも運動不足で基礎代謝が下がっていると、太るなどの悪影響が出ることも十分にあり得ます。プロテインを飲むだけでAGAが改善される、筋肉がつくというのは大きな誤解で、やはり運動は欠かせません。しっかりと運動をしていれば太ることはまずないのですが、運動不足だと太って逆にAGAを促進させる結果になりかねません。カロリー摂取量が増えると皮脂の分泌量も増える傾向にあるので、脂っぽいものを多く食べている人は特に注意する必要があります。このような注意点こそあるものの、プロテインに含まれているのは大半が普通の栄養素であり、基本的には副作用の心配は不要です。

プロテインがオススメな人とは

このAGA向けのプロテイン自体は誰が使っても大丈夫なのですが、より向いている人はいます。まずは栄養素が不足している人で、普段からコンビニ弁当や外食に頼っているなら、栄養補給の面でプロテインは有用です。コンビニ弁当や外食でもしっかりと選べばある程度は栄養を確保できるものの、実際には好みに合わせて栄養バランスが崩れるケースが多く、特にミネラルは不足しがちです。そのため、亜鉛やアミノ酸など頭髪によい成分が含まれているプロテインは、食生活が乱れている人にこそ向いています。
AGA向けのプロテインも、普通のプロテインと同じく筋肉を大きくする上では間違いなく役立つので、AGAの改善と肉体改造を同時に取り組みたいなら最適な商品です。筋肉トレーニングは直接的にはAGAに影響を及ぼさず、体質改善やダイエットが目的ならランニングなどの有酸素運動だけでも十分です。先に書いたように成人男性は1日50gのタンパク質でも十分とされているものの、しっかりと運動するならさらにタンパク質を補給しても問題ありません。筋肉トレーニングを始めるならプロテインは必須ですし、筋肉トレーニングではなく有酸素運動を始める場合も、プロテインで効率よく栄養素を補給するのは有効です。筋肉量は基礎代謝、そして太りやすさに影響してくるポイントなので、少し太り気味だと感じているならプロテインと合わせて筋肉トレーニングを始めてください。すでに筋肉トレーニングをしており、違うメーカーのプロテインを使用している場合は、AGA向けのプロテインに乗り換えるのも手です。

商品ラインナップはこんな感じ

アンファー株式会社以外からはAGA向けのプロテインは発売されていないので、どのメーカーのプロテインがよいかで悩む必要はありません。まずはオーソドックスな「スカルプDサプリメント AGAメンズプロテイン」で、こちらはヨーグルト味とカフェオレ味があります。違うのは味だけなので好みで選んでもよく、どちらも髪の毛の原材料であるシスチンを多く配合しているのが魅力です。ヨーグルト味、カフェオレ味の両方に大容量の商品が用意されているので、実際に使ってみて気に入ったのなら、大容量を確保するのもよいでしょう。
これだけでも十分に魅力はありますが、より効率よく栄養素を摂取するなら「スカルプDサプリメント AGAメンズプロテイン ゴールド」という選択肢もあります。こちらは「スカルプDサプリメント AGAメンズプロテイン」をさらに発展させた進化系で、髪の毛の構成しているアミノ酸は全て配合されていますが、髪の毛にとって必要なシスチンは元の商品と比べてさらに2倍に増えているのです。さらに、高吸収型イソフラボンやブラックジンジャー、タウリンといった体の引き締めなどに影響を与える成分も加えられました。栄養面では非常に優秀であるものの、価格は従来のものと比較してやや高めなので、その辺りをどう判断するかがポイントです。株式会社エルビーとのコラボレーションにより、アンファーのプロテインをドリンク化した「AGAメンズプロテイン ドリンク」も発売されていましたが、こちらはすでにアンファーのラインナップからは消えています。

プロペシアやチャップアップとの併用もあり

AGAプロテインは薄毛に悩んでいる人の助けになる商品ですが、薄毛を根本的に改善できるわけではありません。運動をしてプロテインを飲む、これだけでは、ほとんど発毛は期待できないのが実情です。AGAの原因としては頭皮の状態の悪化に加えて遺伝的なものもあり、遺伝が原因ならいくらプロテインで栄養素のバランスを整えても、髪の毛は抜け落ちます。プロテインはあくまでもサポートであり、メインのAGA治療法で対処するのがポイントです。
AGAの治療薬としてよく知られているのがプロペシアで、こちらは遺伝が原因のAGAに効果が期待できます。酵素の5αリダクターゼは、男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロンに変える働きがあり、このジヒドロテストステロンがAGAの直接的な原因です。5αリダクターゼの働きを抑えてジヒドロテストステロンが増えないようにする、これがプロペシアの働きです。プロペシア自体は直接的に発毛を促すわけではありませんが、AGAの原因を取り除くことで毛髪が改善されます。このプロペシアの働きとプロテインの働きは似通っていないので、合わせて利用することでより効果が期待できるでしょう。
プロテインで栄養素面からのアプローチをするだけでなく、育毛剤で頭皮を整えるのも選択肢の1つです。育毛剤は医薬部外品に分類されるので、薬ほどではないにせよ副作用が認められるのが難点です。副作用は薬にのみ使われる言葉なので厳密には副作用はありませんが、体に対する悪影響が出ることは育毛剤でもあり得ます。チャップアップは育毛剤の中でも副作用が少なく、100%無香料無添加であることが売りです。センブリエキス、グリチルリチン酸ジカリウム、ジフェンヒドラミンHCの3つの有効成分を含んでおり、体に優しい成分ながら頭皮の環境を整えてくれます。プロペシアとプロテイン、あるいはチャップアップを併用していいか、最終的な判断はAGAクリニックの先生に任せるしかありませんが、問題ないようなら併用するのがよいでしょう。

プロテインと運動を治療に取り入れて

男性ホルモンはAGAを引き起こす、そのようなイメージを持っている人も多いはずですが、実際には男性ホルモンのテストステロンはさまざまなよい影響をもたらしてくれます。AGAを引き起こす原因は酵素の5αリダクターゼの方で、こちらをどう対策するかがAGA治療の重要なポイントです。筋肉トレーニングなどの運動は男性ホルモンの増加を招くので避けている人は、ぜひAGAプロテインを使って運動を始めてください。男性ホルモンのテストステロン自体は増やしても問題ないので、体の調子をととのえる上でも運動は重要です。運動やチャップアップによる血行促進、そしてプロペシアによる5αリダクターゼの対策、栄養素の面からアプローチしてくれるプロテイン、この3つを合わせるのは有効な選択肢です。いずれにしても、まずはAGAクリニックに行かなければ話は始まらないので、カウンセリングを受けて頭皮の状態を知るところから始めてください。