薄毛に関する病気

抜け毛が多いのは病気のサイン!?

抜け毛というと、どうしても抜けた毛ばかりに注目してしまうものです。確かに、抜けてしまった毛や頭皮の状態が気になるかもしれませんが、もしかしたらその抜け毛は病気のサインかもしれません。
というのも、抜け毛というのは実際に内臓不調の兆候のひとつなのです。人間の体というのはいろいろな器官がお互いに影響を与えたり受けたりしながら健康な状態を維持しているものです。
健康的な頭皮や髪というのも、健康的な内臓があってこそものなのです。特に、内臓に何かしらの異常があると、体にはさまざまな症状がサインとして出てくるようになります。
内臓の異常というと、体のだるさや肌荒れ、発熱といったものを思い浮かべるでしょう。確かにこういった症状もサインのひとつなのですが、関係ないように思える抜け毛も内臓不調のサインのひとつなのです。
抜け毛は特殊なものという先入観のある方もいるかもしれませんが、血液の流れやホルモンバランス、内臓といったものが健康的な状態にあってこそ、健康的な頭皮や髪を保つことができるのです。逆に言えば、どこかひとつでも異常が起これば健康的な頭皮や髪を保つことはできなくなるのです。

内臓不調と抜け毛にはどんな関係があるの?

内臓というのは、常に働いています。人間の体を健康的な状態に保つために、休むことなくずっと働き続けているのです。
人間の体の中にはさまざまな臓器がありますが、それらの臓器がお互いに影響を与えながら受けながら健康のためにバランスを取っているのです。ひとつでも異常が起これば、その異常を修復しようとします。
異常を修復するとき、体のエネルギーというのは異常が起こっているところに集中的に使われることになります。髪や頭皮といった生命維持には直接的に関係ない部位は後回しにされるようになります。これによって、髪が抜けてしまうのです。

抜け毛が多い病気とは?一覧をご紹介!

内臓の異常が抜け毛にも関係してくることについてはおわかりいただけたかと思いますが、具体的にどのような病気で抜け毛が多くなるのかも気になるところです。まずは、内臓に関係した病気についてご紹介していきましょう。

  • 貧血
  • 脳下垂体の機能低下
  • 甲状腺の機能異常
  • 副甲状腺の機能低下
  • 副腎の機能低下
  • 肝機能の異常
  • 糖尿病

貧血

貧血というのは、鉄欠乏性貧血のことです。名前の通り鉄分が足りずに起こる貧血なのですが、鉄分は血液中のヘモグロビンと結びつくことによって、酸素を取り込んで、体中に酸素を運んでいます。
鉄分が足りないと酸素の取り込みも十分にできなくなりますし、それによって血流も悪化し、十分な栄養が行き渡らなくなります。その結果、抜け毛が多くなるのです。

脳下垂体の機能低下

脳下垂体は、体のホルモン分泌を司る器官です。脳下垂体にできる腫瘍などができると、ホルモン分泌に異常が起こるようになり、抜け毛が多くなるのです。
ホルモン分泌の指令が正常におこなわれなくなる結果、そのサインとして抜け毛が多くなります。抜け毛以外では、頭痛や視野の欠損などもサインとして出てくるようになります。

甲状腺の機能異常

甲状腺の機能異常が起こると、甲状腺ホルモンが低下するようになります。その結果、体温調整や新陳代謝、臓器の活性化に影響が出ます。逆に、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されても体に負担がかかります。
甲状腺ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると、髪が細くなり、抜け毛が多くなります。温度調節ができなくなる、むくみやすくなるといった症状も出てくるようになります。

副甲状腺の機能低下

副甲状腺というのは、甲状腺のすぐ後ろにある器官のことです。主に体の中のカルシウムのバランスを司っているのですが、この副甲状腺の機能が低下すると抜け毛が多くなります。
血液中のカルシウムが下がるから抜け毛が多くなるのですが、他にも手足のこわばりや痙攣などがサインとして出てくるようになります。なぜ副甲状腺の機能が低下してしまうのかはよくわかっていません。

副腎の機能低下

腎臓のすぐ上のところにあるのが副腎という器官です。副腎でいくつかの種類のホルモンを分泌しています。つまり、ホルモン分泌に関係の深い器官なのです。
そのため、副腎の機能が低下するとホルモンバランスが崩れ、抜け毛が多くなります。それ以外にも体の色が黒くなる、だるくなる、便秘、体重減少、低血圧といったサインが出てきます。

肝機能の異常

肝臓病はもちろん、肝臓病まではいっていないものの肝機能に異常があるという場合にも、抜け毛が多くなります。髪にはケラチンというたんぱく質が必要なのですが、これは肝臓でしか作られないものです。
そのため、肝機能に異常が起こってケラチンが作られなくなると、抜け毛が多くなるのです。肝臓は健康維持に必要なものをたくさん生産していますので、抜け毛以外にも倦怠感などさまざまな症状を引き起こします。

糖尿病

糖尿病は、糖がエネルギーに変わる過程で問題が起こり、糖をうまく取り込めなくなる病気です。細胞が栄養不足の状態になる上に、血液もドロドロになってしまいます。
これによって毛根細胞が不健康になったり、死んでしまったりするため、抜け毛が多くなるのです。実際に、糖尿病や糖尿病になりかけの方で抜け毛に悩む方は多いのです。
内臓疾患ではないものの、他にも抜け毛が多くなる病気はいくつもあります。さらに、ご紹介していきたいと思います。

  • 自己免疫性疾患
  • 梅毒性脱毛症
  • 脂漏性皮膚炎
  • 頭皮ニキビ
  • 薬剤性脱毛症

自己免疫性疾患

自己免疫性疾患というのは、免疫機能が逆に自分の体の細胞や機能にダメージを与える病気のことです。本来であれば免疫機能というのは体を守ってくれるものなのですが、それが正常に働かなくなってしまいます。
具体的には関節リウマチやシェーグレン症候群、全身性エリテマトーデスなどが挙げられます。抜け毛が多くなる以外には、患部の強烈な痛みや発熱、湿疹などが症状として出てくるようになります。

梅毒性脱毛症

梅毒による感染症で抜け毛が増えることもあります。梅毒性脱毛症とも呼びます。梅毒というと性病のイメージが強いのですが、遺伝による先天的な梅毒というのもあります。
髪が抜ける以外にもさまざまな症状が出てきます。微熱、体に真っ赤な斑点ができる、性器がただれるといった症状と合わせて抜け毛が多い場合には、梅毒の可能性が高いでしょう。

脂漏性皮膚炎

皮膚から皮脂が分泌されるのはご存知かと思いますが、この皮脂分泌が過剰になるとそれによって炎症が起こるようになります。それが脂漏性皮膚炎です。
どうしてもかきむしってしまうので、抜け毛も多くなります。抜け毛が多くなる以外には、かゆみや痛み、膿みがたまるといったものが症状として出てくるようになります。

頭皮ニキビ

名前の通りなのですが、頭皮ニキビというのは頭皮にできるニキビのことです。頭皮が不衛生な状態になっていたり、寝具などが汚れていたりすると、雑菌が繁殖し、頭皮にニキビができるようになります。
頭皮ニキビによっても抜け毛が多くなります。抜け毛が多くなる以外では、頭皮のかゆみや痛み、赤みなどが症状として出てくるようになります。

薬剤性脱毛症

薬剤性脱毛症というのは、薬の影響で抜け毛が多くなってしまうもののことを指します。C型肝炎の治療薬であるインターフェロン、抗ガン剤の治療薬といったものが代表的なものです。
この場合には、頭皮や髪が健康的な状態であっても薬の影響で抜け毛が多くなります。薬剤の使用を中止すれば、その後、髪は生えてくるようになります。

抜け毛を減らし、健康でいるためにも体の内側からのケアを!

抜け毛と健康の関係性についてはよくおわかりいただけたかと思いますが、抜け毛を減らすためには健康というものを意識していかなければいけません。それも体の内側からのケアが必要になってきます。
抜け毛という問題に直面すると、ほとんどの方が髪や頭皮といった表面的なところに注目してしまいがちです。確かに、育毛剤なども効果的ではありますが、その育毛剤をより効果的なものにしていくためにも内側からのケアを実践していくべきなのです。
体の内側のケアを怠り、ヘアサイクルやホルモンバランス、血流といったものを乱れさせてしまえば、抜け毛は減りません。それどころか何かしらの病気を抱えて、もっと抜け毛が多くなっていくかもしれません。
定期的な検診で病気のチェックをし、生活習慣の改善をし、体の内側から健康になれるように心がけましょう。健康な体があってこその健康的な頭皮と髪です。

まとめ

抜け毛が多くなると、頭皮や髪の状態ばかりをチェックしてしまうものです。しかしながら、その抜け毛はもしかしたら病気のサインかもしれません。
抜け毛とは無縁の健康的な頭皮や髪というのは、健康な体があってこそのものです。体の内側から健康を目指し、抜け毛を減らしていきましょう。