「オウゴンエキス」という言葉自体は見聞きしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?実際に、オウゴンエキスというのは身近なところで使われているものです。女性にとっては美容成分のひとつかもしれませんが、男性にとってはありがたい育毛成分でもあります。
基本的には育毛剤や漢方などで取り入れていくことになるのですが、オウゴンエキスの育毛効果というのはどのような感じなのでしょうか?ここでは、オウゴンエキスの育毛効果から副作用までいろいろとご紹介していきたいと思います。
そもそもオウゴンエキスって?
まずは、そもそもオウゴンエキスとは何かというところからお話ししていきたいと思います。かつてクレオパトラが真珠を飲んでいたという話のように、黄金を溶かして飲む・・・と思っている方もいるかもしれません。しかしながら、オウゴンエキスというのは植物由来のエキスになります。
ロシア極東から中国の北部、朝鮮半島にかけて生息している黄金花(コガネバナ)という植物があります。シソ科の植物なのですが、この黄金花の根っこをオウゴンと呼びます。根っこを切ってみると綺麗な黄色をしているところから、オウゴンと呼ばれているようです。
このオウゴンから水やアルコールなどで抽出されるエキスをオウゴンエキスと呼んでいます。黄色から黒褐色の液体で、ちょっと変わった香りがします。フラボノイド類やバイカリンなどの成分が含まれており、古くから漢方薬の生薬として使われてきました。
こんなにある!漢方としてのオウゴンエキスの効果
オウゴンエキスは、先でもお話ししましたように植物由来のエキスになります。化粧品や漢方などに含まれていて、さまざまな効果を発揮してくれます。しかも、植物由来のエキスになりますので、副作用も少ないのです。
オウゴンエキスは、たくさんの漢方薬において生薬「オウゴン」として配合されてきました。ここでは、漢方としてのオウゴンエキスの効果についてご紹介していきたいと思います。
- 腹痛
- 胃腸炎
- 下痢
- 嘔吐
- 頭痛
- 美白効果
- 肌トラブルの防止
- 育毛効果
ざっと挙げられるだけでも、これだけの効果があります。日常的に起こり得るちょっとした体調不良にも効果的なので、健康面をサポートしてくれます。ただ、最近では美白効果や肌トラブルの防止といって美容面でも注目されるようになり、化粧品などにも使われるようになっています。
オウゴンエキスは育毛にどう働きかけるの?
先ではオウゴンエキスにさまざまな効果があるという話をしました。その効果のひとつに育毛効果というものがあったかと思います。薄毛に悩んでいる男性にとっては、これが一番気になる効果になることでしょう。ここでは、オウゴンエキスの育毛効果について掘り下げていきたいと思います。
オウゴンエキスの育毛効果というのは、細かく分類することができます。以下で詳しく紹介していきましょう。
抗炎症効果
オウゴンエキスには、抗炎症効果があります。これはオウゴンエキスに含まれている「バイカリン」や「バイカレイン」の成分による効果です。一見あまり関係ないように思える抗炎症効果なのですが、育毛効果につながってきます。
頭皮というのは炎症が起こりやすい部分です。炎症が起これば、頭皮環境というのは悪化していきます。しかしながら、オウゴンエキスの抗炎症効果によって炎症を抑えることができれば、頭皮環境を改善することができます。その結果、抜け毛を防ぎ、健康的な髪が生えやすくなるのです。
保湿効果
オウゴンエキスには、保湿効果があります。頭皮というのは日頃から紫外線などのダメージを受けやすく、それゆえに乾燥しやすいものです。頭皮の乾燥というのは、頭皮環境の悪化を招きます。
乾燥している頭皮にオウゴンエキスによる保湿効果が行き渡るようになると、頭皮環境も改善されていきます。頭皮環境が整えば、健康的な髪が生えやすくなってくるのです。
ジヒドロテストステロンの抑制効果
男性の薄毛というのは、そのほとんどがAGAで知られる男性型脱毛症によるものです。男性型脱毛症の原因となるのは、ジヒドロテストステロンというものです。ジヒドロテストステロンは、テストステロンという男性ホルモンが5α-リダクターゼという酵素から働きかけられることによって生成されます。
オウゴンエキスは、この5α-リダクターゼという酵素の働きかけを抑えてくれます。つまり、原因となるジヒドロテストステロンの生成を抑制することができるのです。これによって、男性型脱毛症の進行を食い止めることができます。
活性酸素の除去効果
活性酸素についてはご存知の方も多いでしょう。活性酸素が増えすぎることによって体がさびてしまうという話はいろいろなところで取り上げられたものです。実は、この活性酸素も男性の薄毛に関係してきます。
活性酸素によって毛母細胞の働きが弱ってしまうと、薄毛が起こりやすくなります。オウゴンエキスには、活性酸素の除去効果もあります。そのため、体のさびから来る薄毛にもしっかりとアプローチができるのです。
皮膚の老化を進める酵素の抑制効果
酵素の中には、皮膚の老化を進めてしまうものもあります。皮膚の老化というのは、それがそのまま頭皮の老化につながってきます。当然、頭皮が老化してしまえば、薄毛は進行していきますし、髪も生えにくくなってしまいます。
オウゴンエキスは、皮膚の老化を進める酵素を抑制してくれます。つまり、頭皮の老化を防ぐことができますので、老化による髪の成長の妨げというものを取り除いてくれるのです。抜け毛を防ぎ、髪が生えやすい状態にしてくれます。
気になるオウゴンエキスの副作用と安全性のほどは?
オウゴンエキスの副作用と安全性についてなのです。漢方としてオウゴンエキスを摂取する場合には、副作用としていくつかの症状が考えられます。
- 咳
- 発熱
- 息切れ
- 倦怠感
- 嘔吐
- 食欲不振
ざっとこのような症状が考えられます。場合によってはホルモンバランスの乱れが起こることもあります。特に、アレルギーなどを持っている方は、漢方を飲む前にお医者さんに相談しておいたほうがいいでしょう。ちなみに、育毛剤に配合されているオウゴンエキスに関してはごく少量になりますので、副作用が起こることはほとんどないかと思います。
知っておこう!オウゴンエキスと相性がいい自然成分たち
オウゴンエキスだけでも育毛効果は期待できます。ただ、基本的に薄毛へのアプローチというのはひとつの成分やひとつのやり方だけでおこなっていくものではありません。いくつかの成分を組み合わせて効果を高めることも大切ですし、多角的なアプローチをしていくことも必要なのです。
だからこそ、オウゴンエキスと相性のいい成分についても知っておきましょう。オウゴンエキスは「センブリエキス」や「グリチルリチン酸ジカリウム」との相性がいいといわれています。具体的に見ていきましょう。
センブリエキス
センブリエキスというのは、その名前の通り、センブリという植物から抽出されるエキスのことを指します。センブリというとテレビの罰ゲームでセンブリ茶を飲むというイメージがありますが、まさに同じセンブリです。センブリも昔から漢方薬として、親しまれてきました。
漢方薬としては、下痢や腹痛などを癒す効果が期待できます。育毛剤に含まれているセンブリエキスには、血行促進作用が期待できます。血行促進作用による育毛効果にも大いに期待が持てるのです。
グリチルリチン酸ジカリウム
グリチルリチン酸ジカリウムは、字面からは想像できないでしょうが、植物から抽出された自然成分になります。甘草(かんぞう)と呼ばれる漢方の生薬に含まれる「グリチルリチン酸」とミネラルの一種である「カリウム」が結合したものがグリチルリチン酸ジカリウムになります。
グリチルリチン酸ジカリウムは、皮膚の炎症を防いでくれます。頭皮も皮膚の一部ですし、炎症が起こりやすい部位でもあります。炎症が起こると頭皮環境が悪化してしまいますが、炎症を防ぐことによって頭皮環境をいい状態でキープすることができるのです。
まとめ
オウゴンエキスは漢方や化粧品、育毛剤にも使われています。さまざまな効果が期待できるのですが、育毛効果についてもかなり期待が持てます。育毛剤であれば副作用の心配もほぼありませんので、相性のいい成分も考慮しつつ、生活に取り入れていきたいものです。