育毛・発毛成分

育毛剤に配合されているバイオポリリン酸の効果はいかに?

「抜け毛防止に効果がある」とされる成分は数多くあります。中でも近年大きな注目を浴びているのは「バイオポリリン酸」で、この成分を配合した育毛剤が数多く登場しました。バイオポリリン酸とはどんな成分なのでしょうか。また、この頭皮に良いどんな良い作用があるのかについても考察してみましょう。

バイオポリリン酸とは?

「バイオポリリン酸」はリン酸化合物の1つに分類されています。この成分は化学合成することが可能ではあるものの、実際に育毛剤で使用されているのは酵母菌から抽出された成分です。自然由来なので安全性が非常に高く、副作用のリスクがほとんどないということが評価され、多くの消費者から支持を獲得しています。また、分子構造が非常に小さいので、肌表面から内部へと浸透しやすいという特性もあります。

バイオポリリン酸に含まれる成分とは?

バイオポリリン酸には発毛を促すタンパク質「FGF(線維芽細胞増殖因子)」の働きを活発にする成分と、強い髪を育てるアミノ酸が配合されています。FGFの働きが活性化すると、損傷した皮膚の再生を活発にする効果に加えて、毛髪を始めとする細胞の増殖を促すということが研究によって明らかになっています。ですから、有効成分が毛根の根元まで届くことで新しい毛髪の産生が促されるだけでなく、毛乳頭を刺激して毛髪1本1本を強化してくれる、という効果が期待できるとされています。

最初に注目を集めたのは「ポリリン酸」だった?!

ポリリン酸には腐敗を防ぐ強い効果があると同時に、人体へ取り込まれても有害な作用を引き起こす心配がほとんどありません。そのため、インスタント食品や冷凍食品などの加工食品に広く使用されています。また変色を防ぐ効果もあるため、ホワイトニング作用を持つ歯磨き粉にも用いられています。加えて、乳液や化粧水など女性用の化粧品の中にもポリリン酸を配合している製品が数多く見られます。他の物質に作用して変質させてしまうことがない、というのもポリリン酸が持つ魅力と言えるでしょう。
ポリリン酸にも薄毛の症状を改善する効果があることは知られていたものの、肌へ塗布した時になかなか成分が浸透していかないことがネックとなっていました。毛根にある毛乳頭まで有効成分が浸透していかないため、ほとんど効果が見られなかったのです。また、ポリリン酸の原料となるリン酸は大量摂取をするとガン発症の原因となると考えられているため、頭皮への使用を懸念する声もありました。そこで、肌への浸透性がより高く、安全性の面でも評価されているバイオポリリン酸が「薄毛対策の救世主」として注目されることになったわけです。

バイオポリリン酸の効果は保湿のみで限定的

バイオポリリン酸はポリリン酸よりも浸透力が高いとはいえ、毛乳頭まで有効成分が浸透していくかと言えば、それは難しいとされています。たっぷりと頭皮へ育毛剤を塗布したとしても、有効成分が浸透できるのは角質層の下部までが限度とされており、最奥部にある毛根まで到達するのは非常に困難です。ですから、この成分が持つ主な効果としては「頭皮の保湿」に限られると言えるでしょう。
とはいえ、乾燥した頭皮は毛穴を詰まらせてしまうと同時に血流を妨げてしまうため、抜け毛を誘発する大きな原因となります。一方、保湿が十分にされた頭皮は柔軟性があるので毛髪が抜けにくく、またフケやほこりなどの汚れが毛穴に詰まりにくいというメリットがあります。ですから、バイオポリリン酸を配合した育毛剤を使用して頭皮をケアすることは、決してムダではないということを銘記しておきましょう。