10代の未成年であっても薄毛に悩んでいる人は意外に多いことをご存じでしょうか。
そもそもハゲや薄毛は男性と女性によって原因が違います。
女性は頭皮の環境が悪いことや、加齢による女性ホルモンであるエストロゲンが減少することを原因としますが、男性の場合は、AGA(男性型脱毛症)と呼ばれ、主に男性ホルモンの乱れによって引き起こされるのです。
たとえ、10代の未成年であっても、思春期という不安定な状態にある体は、ホルモンバランスを崩す時期でもあるので、AGA(男性型脱毛症)になる可能性も高いのです。
そこで、このAGAを引き起こす原因のメカニズムや対処法、予防法についてご紹介します。
AGA(男性型脱毛症)の原因
先にも述べましたが、AGAは男性ホルモンの乱れによって起こります。
そのメカニズムは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが増加し、5αリダクターゼという酵素と結びつくことによって、DHT(ジヒドロテストステロン)が生成されることによるものです。
DHT(ジヒドロテストステロン)は別名、脱毛ホルモンとも呼ばれており、これがアンドロゲン受容体に受け取られることでAGAが発症します。
テストステロンが増加する原因は、ストレスや生活習慣の乱れなどと考えられています。10代の未成年は、勉強や人間関係のストレスを受けやすく、夜遅くまでスマホやゲームなどに時間を費やして、十分な睡眠をとることができないため、ホルモンのバランスを崩しやすいと言えます。
また、5αリダクターゼの増加は、食事での栄養不足も原因となりますが、多くの場合、遺伝子が大きく影響していると考えられています。そのため、父親か母親のどちらか一方でも、その遺伝子を持っていれば、AGA(男性型脱毛症)になる可能性が高いと言えます。
また、症状の表れる場所によって呼び方が違っていて、額の生え際がM字状のものを「M字ハゲ」、U字状のものは「U字ハゲ」と呼ばれます。他には、旋毛を中心に薄毛になる症状は「O字ハゲ」と呼ばれており、10代~30代の若い層の人の薄毛を総称して「若ハゲ」と呼ばれています。
AGA(男性型脱毛症)の対処法
厄介なことに、このAGAは放置しておくと進行していき、脱毛の範囲が広がっていきます。
進行を止めるのに有効なのは、やはり皮膚科や薄毛専門クリニックを受診することです。しかし、薄毛専門クリニックを受診する際、18歳以下の未成年は、親権者や未成年後見人などの同意書が必要になるので、まずは、親や家族に相談することが大切です。
受診してホルモン検査などで薄毛の原因を理解した上で、薬の服用や生活習慣の改善を行いましょう。しかし、10代の未成年の場合、副作用の危険性から医薬品を勧められることは少ないでしょう。
そのため、医薬部外品である市販の育毛剤を使用することが効果的です。市販の育毛剤にもさまざまな種類があるので、自分の年齢や体質に合ったものを探し出すことが重要です。
AGA(男性型脱毛症)の予防法
日常生活の中で実践できる予防法として、頭皮に必要な栄養分をきちんと摂ることが考えられます。これは、毎日の食事で摂ることが理想ですが、中々食事だけで摂取することは難しいため、サプリメントを利用して補うのも効率的です。
また、できるだけストレスを抱えないことが大切です。何かにつけてストレスの多い世の中ですが、上手く発散して、溜め込まないように心掛けましょう。ストレスには、精神的なもの以外にも、外的ストレスもあります。
頭皮にとって、紫外線やヘアケア剤の刺激はストレスの素になります。シャンプー剤の洗い残しなどによって、毛穴に皮脂や汚れが蓄積すると、健康な髪の毛の育成を妨げてしまい、薄毛の原因になります。
また、頭皮の洗い方にも注意が必要です。爪などで傷つけてしまわないように、指の腹で優しく頭皮をマッサージするように洗いましょう。皮脂や汚れを落とす程度で良いので、余計な刺激を与えるような洗い方は、頭皮トラブルの原因にもなりかねません。
他にAGAの予防方法として、適度な運動が有効です。AGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)は、汗と一緒に体外へ流れ出る可能性があります。また、運動することで体内の血液循環が良くなり、栄養分が運ばれやすくなります。それに加えて、適度な運動はストレス発散にも役立ちます。
以上のように、AGA(男性型脱毛症)は10代の未成年であっても発症の可能性があります。
思春期で心も体も不安定なこの時期に、薄毛やハゲになってしまうと、周りに相談するのも抵抗を感じてしまいます。気になっていても放置してしまい、元の状態に改善するのも難しいほど進行してしまうことにもなりかねません。何よりも大切なことは、気づいた時にすぐ対処を行って、早期治療をすることです。10代の未成年は細胞が若いため、改善効果も表れやすいと言えます。薄毛の悩みは自分だけでなく、他にも同じ悩みを抱えている人が多くいることを理解して、勇気を持って改善を試みましょう。