ヘアスタイル・ファッション

「ブリーチをすると頭皮に負担がかかってハゲる」は事実なのか?

オシャレを楽しむ方法の1つとして「髪を染めること」が挙げられます。髪の色を変えることで雰囲気が変わり、ファッションの幅も広がります。とはいえ、髪を染めることで頭皮や髪の毛そのものにダメージを与えているのではないか、という懸念の声は少なくありません。では、髪の毛を染めることで髪の毛が細くなったり少なくなったりすることはあるのでしょうか。特に「ブリーチ」という染色方法について詳しく調べ、それが薄毛に及ぼす影響を考察してみましょう。

髪の毛を染色する方法は基本的に3つ

髪の毛を染色する方法は大きく3つに分類されます。1つ目は「ブリーチ」です。これは髪の毛に特殊な溶剤を塗布することで内部のメラニン色素を壊して、色を抜いてしまうという方法です。2つ目は「カラーリング」です。これはメラニン色素を取り除くことに加えて、染色液で特定の色に染めていく、という工程が含まれます。ですから、カラーリングの方が色の自由度は広い一方で、作業完了までにはより時間がかかります。3つ目は「一時着色」です。これは名前の示す通り、毛髪を着色料でコーティングしてしまうという手法です。あくまで表面に色を塗っているだけなので、キューティクルが傷んでしまうという心配はありません。ただし、シャンプーをするとすぐに色が落ちてしまうというデメリットがあります。

ブリーチとは?

ブリーチとは「髪の毛から色を抜くこと」です。強い薬剤を使用して徐々に毛髪内部のメラニン色素を破壊していくことで、色が少しずつ変化していきます。時間の経過とともに色が抜けていき、最終的にはほぼ白色に近い状態となります。「髪色を少し明るくしたい」という人は短時間で溶剤を洗い流すと良いでしょう。一方、「金髪に近い色が良い」「真っ白にした後で他のカラーリング剤を塗布したい」という人は長時間漬け置きしておくと確実です。
ブリーチの作業をする前には、必ず髪を綺麗に洗い、トリートメントをたっぷりと付けて髪の表面にあるキューティクルを整えておく必要があります。このケアを怠ってしまうと、溶剤がまんべんなく浸透しなくなってしまい、仕上がりが色ムラのある状態になってしまうのです。また、新しい毛が生え出てくると、脱色した部分との違いが目立ってしまう、ということも覚えておきましょう。ですから、色ムラのないきれいな状態をキープしたいと思うのであれば、定期的に脱色を行なう必要があります。

ヘアカラー商品に含まれるブリーチ剤にはこんな作用がある

ブリーチ剤の商品説明を見ると大抵「作業の際には付属の手袋をしてください」という注意書きがされています。これは溶剤に過酸化水素水が含まれていて強いアルカリ性であることが関係しています。過酸化水素水は毛髪の表面だけでなく、内部の「コルテックス層」にも浸透してメラニン色素を破壊していきます。つまり毛髪の表面にあるキューティクルをムリやり剥がして入り込んでいくのです。ですから当然毛髪にはダメージが残ってしまいます。また、多くのブリーチ剤には過硫酸塩も微量ながら含まれており、この成分には毛髪の表面を溶かす作用があります。ですから脱色を行なう度に髪の毛が徐々に細くなっていくリスクがある、ということが分かるでしょう。

ブリーチでハゲてしまうのはなぜか?そのメカニズムを解明

ブリーチの成分は基本的に強アルカリ性です。一方、頭皮は弱酸性になっています。ですから、頭皮に脱色剤が付いてしまうと化学反応が起きて強い刺激を与えてしまう、ということが分かります。敏感肌の人は頭皮が赤く腫れあがってしまったり、毛穴に溶剤が入り込んでひどい炎症が起きてしまったりすることもあります。また敏感肌ではなくても、溶剤が毛穴に残って詰まってしまうと、新しい毛が成長できずそのまま毛穴がつぶれてしまうことがあるのです。そして毛穴の奥で細菌が繁殖して炎症を起こすこともあります。これが結果としてハゲる原因となります。
もともと髪の毛が細い人は、ブリーチをすることで毛髪がダメージを受けてさらに細くなり、結果として薄毛が目立つようになる、ということもあります。脱色の溶剤はメラニン色素だけでなく、毛髪内部にある大切な栄養分も破壊してしまうことが分かってきています。ですから、「髪が薄くなってきたけれど、完全にハゲたくはない」という人は、脱色を控えるのが賢明です。

髪を染めるときに注意しておきたい点

髪を染める際に注意すべき点は「洗髪をよく行なうこと」です。脱色剤およびカラーリング剤には界面活性剤を始めとするさまざまな化学溶剤が配合されており、それが毛髪と頭皮に付着すると強い負担になります。ですから薄毛やハゲが気になる人は、作業工程が終了したら念入りに髪を洗うことが大切です。そしてトリートメントをたっぷりと付けて、髪に栄養を与えキューティクルの回復を促すことも忘れずに行いましょう。