テレビコマーシャルなどでは毛根の図やイラストを見ることも多いでしょう。図やイラストで示されている毛根というのは、だいたい黒いものです。そのため、中には「毛根=黒いもの」と思っている方もいるかもしれません。
しかしながら、実際の抜け毛をチェックしてみると毛根というのは黒いとは限りません。図やイラストのように黒いこともあれば、白っぽいこともあります。実は毛根が黒いのは、髪からのサインかもしれません。見逃さないようにしましょう。
毛根が黒いのは異常なの?
実際にご自身の抜け毛をチェックしてみるとおわかりになるでしょうが、毛根というのは常に黒いとは限りません。白っぽいこともあります。中には黒い毛根が正常で、白っぽい毛根が異常だと思っている方もいるかもしれません。しかしながら、実は逆です。
正常な抜け毛であれば、その毛根は白っぽくなります。もし、抜け毛の毛根が黒々としているのであれば、それは髪からのサインと考えたほうがいいかと思います。結論として、毛根が黒いのは、異常といっていいでしょう。
なぜ毛根が黒くなるの?
先でもお話ししましたように、正常な抜け毛であれば毛根は白っぽくなります。では、なぜ毛根が黒くなってしまうのでしょうか?それには大きくわけてふたつの原因が考えられます。
ひとつはヘアサイクル・毛周期の乱れ、もうひとつは頭皮の血行不良です。もちろん、どちらか一方のみということもあれば、両方が起こっているということもあるでしょう。次でそれぞれの原因について詳しくご説明していきたいと思います。
毛根が黒い原因その1:ヘアサイクル・毛周期の乱れ
ヘアサイクル・毛周期の乱れについてお話しする前に、正常な毛根についても触れておきたいと思います。正常な髪というのは、ヘアサイクル・毛周期の中でだいたい4年から6年かけて成長していき、そして抜けていきます。このヘアサイクル・毛周期を正常に終えた毛根においては、色素の減少というものが起こります。
例えるなら、漫画「あしたのジョー」の「燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・」のような感じです。つまり、正常な抜け毛の毛根が白っぽくなるのは十分に役割を全うした証とも言えるのです。
通常であれば白っぽくなるはずの毛根が黒いということは、ヘアサイクル・毛周期を正常に終えられていないということです。役割を全うする前に抜けてしまったからこそ、毛根が黒くなるのです。言うまでもなく、これは正常な状態ではありません。
ヘアサイクル・毛周期の乱れで薄毛になる可能性が
ヘアサイクル・毛周期を正常に終えられていないからこそ毛根が黒くなるわけですが、こうなってくると薄毛になる可能性も出てきます。というのも、十分に成長しきれないまま髪がどんどん抜けていくことになるのです。薄毛になりやすいというのは言うまでもありません。
AGAでよく知られている男性型脱毛症も、髪の成長期が短くなることによって起こります。抜け毛の毛根が黒いという場合には、男性型脱毛症の可能性も疑ったほうがいいかもしれません。
毛根が黒い原因その2:頭皮の血行不良
毛根が黒い原因としてヘアサイクル・毛周期の乱れについてお話ししましたが、もうひとつの原因が頭皮の血行不良です。毛根の黒い抜け毛というのは、実はヘアサイクル・毛周期が正常でも出てくるものです。ヘアサイクル・毛周期に異常がないのに毛根が黒いという場合には、頭皮の血行不良を疑ったほうがいいでしょう。
頭皮の血行不良が起こると、必要な栄養や酸素が細胞に行き渡らなくなります。それによって、色素細胞が黒く変色してしまうのです。だからこそ、毛根の黒い抜け毛が出てくるようになるのです。
頭皮の血行不良でも薄毛になる可能性が
ヘアサイクル・毛周期の乱れによって薄毛になる可能性があるという話をしたのですが、頭皮の血行不良でも薄毛になる可能性があります。というのも、髪が健康的に正常に成長するためにはそのための栄養や酸素が必要になります。頭皮で血行不良が起これば、栄養も酸素も届けられなくなってしまうのです。
十分な栄養や酸素がなければ、しっかりと成長することができません。栄養や酸素が足りない状態で育っても、その髪は弱々しく細い髪になってしまうでしょう。ちょっとした刺激で抜けてしまうかもしれません。
黒い毛根への対策その1:生活習慣の改善
抜け毛の黒い毛根が気になったら、生活習慣の改善をおこなっていきましょう。生活習慣の改善と言葉で表現するのは簡単ですが、いざ実践していくのは難しいかもしれません。というのも、今の時代は多くの方が不健康な生活習慣に慣れてしまっているからです。
偏った食生活、睡眠不足、運動不足、ストレス、お酒やタバコといったものが当たり前になっている方も多いのではないでしょうか?こういった生活習慣は、健康を損ねるだけではなく、頭皮や髪にとってもよろしくありません。では、具体的にどのような生活習慣を実践していけばいいのかについてお話ししていきましょう。
栄養バランスのとれた食事
栄養バランスのとれた食事というのは、体の健康だけではなく、健康的な頭皮や髪を保つためにも大前提となってくるものです。栄養バランスのとれた食事を規則正しく摂取していくようにしましょう。寝る前に食べないといったことも大切です。
髪はケラチンというたんぱく質から構成されていますので、たんぱく質はもちろん、合成に必要なビタミン類やミネラル類も意識して摂取していきたいものです。サプリメントを取り入れるのもひとつです。
十分で質のいい睡眠時間
髪は成長ホルモンによって、成長します。つまり、成長ホルモンの分泌もポイントになってきます。夜の10時から夜中の2時までのいわゆるゴールデンタイムには成長ホルモンが分泌されますので、この時間帯には睡眠を確保しておきたいものです。
もちろん、睡眠の質を高めるために寝る前のパソコンやスマートフォンといった脳を興奮状態にさせるものは避けるようにしましょう。早寝早起きといった規則正しい生活も大切です。だいたい毎日同じ時間帯に寝起きできるように心がけましょう。
適度な運動
運動不足というのは血行不良を引き起こしますし、血流が悪化することによって体の巡りも悪くなってしまいます。ホルモンバランスなどにも影響が出るようになりますので、適度な運動を心がけるようにしましょう。もちろん、ハードな運動をする必要はありません。
ストレッチやラジオ体操など簡単にできるものでOKです。最初のうちは短い時間でいいので、体を動かすということを習慣化していきましょう。体を動かすことはストレス発散にもなります。
ストレス発散
適度なストレスは人生のスパイスになるとも言われているのですが、過度なストレスは心身にとって害となります。特に、今の時代はストレス社会と呼ばれるようになって久しいですし、実際に過度なストレスを抱えやすいものです。だからこそ、ストレス発散を心がけていきましょう。
おいしいものを食べる、スポーツをする、趣味に没頭する・・・自分などのストレス発散法を見つけておきましょう。ストレスをためこんでしまう前に、こまめに発散することが大切です。それが心のためにも頭皮や髪を含めた体のためにもなるのです。
禁酒・禁煙
禁酒と禁煙も実践してきたいところです。お酒のほうは本当に適量や少量で抑えられるのであれば、完全に断つ必要はありません。お酒の付き合いもあるでしょう。
ただ、禁煙に関しては徹底したほうがいいでしょう。タバコというのは百害あって一利なしの代物です。お酒のように付き合いもないでしょうから、頭皮や髪のことを思うのであれば禁煙一択です。
黒い毛根への対策その2:育毛剤の使用
抜け毛が多くなって薄毛を実感しているものの、まだそこまでひどくないという方の場合は育毛剤も対策として有効です。育毛剤を使うことによって、今ある髪を大切にしていくことができます。手軽に始められるのも魅力です。
ただ、育毛剤にもいろいろなものがあります。その中で自分に合うものもあれば、自分に合わないものもあるでしょう。できるだけ刺激の少ないもので、自分に合ったものを見つけるようにしましょう。
黒い毛根への対策その3:発毛剤・発毛薬
育毛剤は今ある髪を育てるためのものですが、発毛剤や発毛薬というのは名前の通り、発毛させるためのものです。つまり、髪を生やして、増やすためのものです。育毛剤のように頭皮に府塗布するタイプのものもあれば、服用するタイプのものもあります。
成分としてはミノキシジルやフィナステリド、デュタステリドといったものが挙げられるのですが、基本的には医薬品になります。当然、副作用もありますので、お医者さんに相談の上で処方してもらうのがいいでしょう。
黒い毛根への対策その4:頭皮マッサージ
頭皮マッサージは、名前の通り、頭皮をマッサージしていくことを指します。頭皮や髪のことで悩んでいる方であれば、自然と頭皮マッサージをしているということもあるかもしれません。頭皮をマッサージすることによって、直接的に頭皮の血行を促進することができます。
ただ、頭皮マッサージというのは強くすればいいというものではありません。爪を立ててガシャガシャしていると、逆効果です。頭皮を強くこするのではなく、指の腹で頭皮を抑えつつ頭皮そのものを優しく丁寧に動かしていく感覚です。
お風呂に入っているときに実践するのもいいでしょう。お風呂上りに育毛剤を塗布した後で頭皮マッサージをするというのもいいかもしれません。正しく実践していけば、プラスに働いてくれるはずです。
まとめ
抜け毛の毛根というのは、通常であれば白っぽいものです。抜け毛の毛根が黒い場合には、その原因としてヘアサイクル・毛周期の乱れや頭皮の血行不良が起こっている可能性があります。これらはそのまま薄毛に発展する可能性がありますので、おかしいなと思ったらすぐに対策をおこなっていきましょう。