薄毛のメカニズム

薄毛と関わりの深いヘアサイクル・毛周期の期間について理解しておこう!

薄毛を含めた髪の問題には、ヘアサイクル・毛周期が深く関係しているものです。「へアサイクル」「毛周期」という言葉は知っているものの、具体的にどれくらいの期間でどのようなサイクルとなっているのかはわからないという方も多いのではないでしょうか?ただ、髪の問題をどうにかしたいと思っているのであればやはりヘアサイクル・毛周期については十分に理解しておくべきです。
ここでは、へサイクル・毛周期について詳しく解説していきたいと思います。ヘアサイクル・毛周期について理解をしておくと。薄毛を含めた髪の問題も余裕を持って分析できるようになるかもしれません。

髪の寿命とヘアサイクル・毛周期にはどんな関係があるの?

人間に寿命があるように、人間の髪にも寿命があります。それも髪の1本1本に寿命があるのです。部位によって前後してくる部分はあるでしょうが、だいたい髪の寿命は4年から6年ほどだと言われています。髪の寿命が4年から6年と言われると「4年から6年でハゲるの!?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、もちろん、そんなことはありません。
髪が寿命を迎えると、同じ毛穴から新しい髪が生えてきます。ロケットペンシルのようなものです。こうして常に一定量の髪をキープしようとするのですが、この繰り返しのことをヘアサイクルと呼びます。ちなみに、ヘアサイクルを日本語で表現したのが毛周期になりますので、「ヘアサイクル=毛周期」ということになります。
男性の薄毛というのは、AGAで知られる男性型脱毛症であることが多いものです。この男性型脱毛症もヘアサイクル・毛周期の乱れによって起こります。逆に言えば、ヘアサイクル・毛周期が乱れなければ薄毛を含めた髪の問題というのはそうそう起こるものではないのです。

ヘアサイクル・毛周期の期間には大きくわけて3つの種類がある!

ヘアサイクル・毛周期の期間には、大きくわけて3つの種類があります。それが以下の3つになります。この3つの期間を順番に繰り返しているのです。

  • 成長期
  • 退行期
  • 休止期

この3つのうち、成長期はさらに細かく分類することができます。それが以下の3つになります。これらも含めて、次で詳しくヘアサイクル・毛周期の期間についてご説明していきたいと思います。

  • 早期成長期
  • 中期成長期
  • 後期成長期

ヘアサイクル・毛周期の特徴~成長期~

健康な髪の一生のうち、もっとも長いのがこの成長期です。通常、成長期の期間というのは3年から5年ほどとも言われており、ヘアサイクル・毛周期の中でもっとも重要となってくる期間といっていいでしょう。成長期はヘアサイクル・毛周期の90%ほどを占めるとも言われています。成長期には髪を作り出す毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返し、日々、一生懸命に髪を成長させていきます。
成長期というとただ髪を伸ばすだけと思われがちなのですが、成長期は髪を太く丈夫にする期間でもあります。髪が太くなると髪の密度が高まりますのでいわゆるフサフサの状態になりますし、そう見えるようにもなります。髪が丈夫になると、抜け毛や切れ毛なども減っていきます。成長期がいかに重要なものかおわかりいただけるでしょう。

早期成長期

早期成長期というのは、のちほどご説明する休止期を終えた後の期間になります。髪は毛根内に隠れていますので、ほとんど頭皮の外には出ていない状態です。花に例えるのであれば、蕾の時期です。
古い髪が残っている場合には、新しい髪が古い髪を押し出す時期でもあります。まさにこれから新しい髪が生えるという期待に胸が膨らむ時期です。

中期成長期

中期成長期は、髪が頭皮から飛び出す時期になります。新しい髪が少し顔を出しているような状態です。花で例えるのであれば、咲きかけといったところでしょうか。
もちろん、この時期の髪というのはまだまだ弱々しいものです。実際にこの頃の髪は抜けやすい傾向にあります。ただ、その弱々しい髪がこれからどんどん太く丈夫に育っていくのです。

後期成長期

後期成長期は、頭皮に流れる血液から必要な栄養や酸素を取り込んで毛母細胞が活発に細胞分裂を繰り返す時期です。3つにわかれる成長期の中でももっとも重要な時期といっても過言ではないでしょう。髪が伸びて、太く丈夫になっていきます。花で例えるなら、満開といったところでしょうか。
後期成長期が短くなると、抜け毛や薄毛といった髪の問題が起こるようになります。中期成長期まで短くなると、問題はもっと深刻になります。ヘアサイクル・毛周期の乱れというのは、髪の成長期が短くなるとも言いかえることができるでしょう。

ヘアサイクル・毛周期の特徴~退行期~

退行期というのは、ヘアサイクル・毛周期の中でもっとも短い期間になります。先でお話しした後期成長期が終わってからたったの2週間から3週間ほどです。全体の2%ほどしかないので、本当に微々たるものです。
成長期に活発に細胞分裂を繰り返してきた毛母細胞ですが、退行期にはその活動が弱まります。最終的には完全に髪の成長が止まり、髪の司令塔となる毛乳頭と分離されて、髪が抜ける準備を始めます。退行期には毛根の形状も変化し、成長期にはマッチのような形をしていた毛根が退行期には白っぽく綿棒のような形になっていきます。
抜け毛の毛根を確認して、退行期の白っぽく綿棒のような形になっていれば問題はありません。ただ、皮脂がこびりついていれば皮脂分泌に異常があるかもしれませんし、毛根までやせ細っているような感じがあればびまん性脱毛症の可能性もあります。抜け毛の毛根の状態というのは、ひとつの目安になってきますのでこまめにチェックしておきたいものです。

ヘアサイクル・毛周期の特徴~休止期~

退行期が終わると3ヶ月から4ヶ月ほどの休止期に入ることになります。休止期はヘアサイクル全体の約13%ほどだと言われており、休止期の期間は髪を作り出す毛母細胞の細胞分裂が完全にストップしてしまいます。退行期に抜ける準備をし始めた髪がいよいよ最終段階に入る時期でもあります。
実際に休止期の髪というのは、ちょっとしたことで抜け落ちてしまいます。シャンプーなどで抜け落ちる髪というのは、基本的にこの休止期の髪になります。本当にかろうじて毛穴に入っているだけの状態です。休止期の髪が抜けるのは当たり前のことなので、休止期に抜ける髪というのは基本的に気にしなくてOKです。
古い髪が抜けると、成長期の早期成長期に入っていきます。そこで新しい髪は生えてくるようになるのです。ヘアサイクル・毛周期というのは、これを延々と繰り返していくのです。

ヘアサイクル・毛周期の乱れが薄毛にどう関わってくるの?

「ヘアサイクル・毛周期の乱れによって薄毛になる」というのは簡単なのですが、具体的に何がどうなって薄毛になるのかわかっていないという方も多いのではないでしょうか?先でもお話ししましたように、ヘアサイクル・毛周期の乱れというのは髪の成長期が短くなるとも言い換えることができます。ただ、結局は抜けては生え抜けては生えのサイクルを繰り返しているのですから、大丈夫そうにも思えるでしょう。
もちろん、抜けては生え抜けては生えのサイクルがあるからといって大丈夫なわけではありません。髪の成長期が短くなることによって、確実に髪に変化が起こってきます。それによって、薄毛となってしまうのです。では、具体的にはどのような変化が起こるのでしょうか?

髪が細いままになってしまう

髪の太さというのは、思っている以上に重要なポイントになってきます。たとえば、ニットを思い浮かべてみましょう。太い毛糸と細い毛糸を使ってそれぞれ同じ本数で同じ編み方をしたとしたら、太い毛糸でできたニットのほうが目がつまっていて確実に暖かそうに見えるはずです。細い毛糸でできたニットのほうは下手したらメッシュのように見えるかもしれません。
髪も同じです。同じ本数でも髪が太いほうが確実に、フサフサに見えるのです。へサイクル・毛周期が乱れることによって髪が太くならず、細いままで見た目にもスカスカになってしまうのです。実際にもともと髪が細い方というのは地肌が露出するため、薄毛ではないのに薄毛に見えてしまうこともあります。

髪が伸びない

ヘアサイクル・毛周期が乱れると、髪が細いままになってしまうだけではありません。髪が伸びなくなってしまう部分もあるのです。太さほどではないにしても、髪の長さというのも見た目のボリュームに影響を与えるものです。
髪が生えてくるだけマシという考え方もありますが、髪が伸びないというのも申告な問題です。ヘアサイクル・毛周期の乱れをそのままにしておくと、最終的には本当に髪が生えなくなってしまう可能性もあります。この段階で対策を取っていくことが大切です。

ヘアサイクル・毛周期はなぜ乱れるの?

では、ヘアサイクル・毛周期はなぜ乱れてしまうのでしょうか?薄毛を含めて髪の悩みというのは体質や遺伝で片づけられることが多い傾向にあります。もちろん、体質や遺伝といった部分もまったく関係ないわけではありません。
しかしながら、それ以上に生活習慣の面でヘアサイクル・毛周期の乱れを引き起こしているケースも多いと考えられます。生活習慣の乱れにについて詳しくご説明していきましょう。

栄養バランスの偏った食生活

昔に比べると、今の時代というのは野菜などに含まれている栄養素そのものが減っていると言われています。そのため、普通に食事をしているだけでも栄養が偏りやすいのです。それでいて、ファーストフードなども身近にあるため、栄養バランスの偏りに拍車がかかってしまうのです。
栄養バランスが偏ると頭皮や髪に必要な栄養が不足してしまいますし、血流の悪化やホルモンバランスの乱れといったものも引き起こします。要は健康な状態を維持できなくなってしまうため、ヘアサイクル・毛周期も乱れてしまうのです。体が不健康で、ヘアサイクル・毛周期だけが正常ということはまずないでしょう。

睡眠不足

睡眠不足もヘアサイクル・毛周期の乱れを引き起こします。頭皮を含めて体のリカバリーが十分にできなくなってしまうので、ダメージが蓄積される一方になってしまいます。頭皮環境も悪化していくでしょう。
睡眠不足自体がストレスとなって血流の悪化を引き起こすこともありますし、睡眠不足によってホルモンバランスが乱れることもあります。体のリズムが乱れていくわけです。だからこそ、ヘアサイクル・毛周期も乱れてしまうのです。

運動不足

学生の頃は体をよく動かしていたという方でも、今はどうでしょうか?慢性的な運動不足になっているという方も多いでしょう。運動不足は血流の悪化を招きますし、肥満のリスクも高めます。
体の巡りが滞ることになりますので、ヘアサイクル・毛周期も乱れるようになります。運動不足だけでヘアサイクル・毛周期が絶対に乱れるというわけではないものの、そのリスクを高める可能性は十分にあるのです。

ストレス

ストレス社会と呼ばれるように、今の時代というのは本当に誰もがストレスにまみれて生きています。目には見えないストレスでも確実に心身に影響を及ぼします。心身を緊張させることによって血流を悪化させてしまいますし、ホルモンバランスまでをも乱してしまうのです。
ストレスで抜け毛が増える、ストレスでハゲるといった話が多いように、ストレスはヘアサイクル・毛周期にも大いに関係してきます。ストレスによってヘアサイクル・毛周期が乱れることは珍しいことではないのです。むしろ、今の時代は乱れて当然と言えるくらいです。

ヘアサイクル・毛周期が乱れたときの対策はコレ!

では、へサイクル・毛周期が乱れてしまったときにはどうしたらいいのでしょうか?それは先で挙げたヘアサイクル・毛周期が乱れる原因と真逆のことをすればいいのです。原因を遠ざけることが対策となってきます。

  • 栄養バランスのとれた食事
  • 十分で質のいい睡眠
  • 適度な運動
  • ストレスの発散

簡単に言ってしまえば、健康的な生活習慣を実践していけばいいのです。不健康な生活習慣に慣れてしまっている方であればあるほど大変かもしれませんが、やってみて損をすることは絶対にありません。こういった生活習慣の改善だけでは不安という場合には、お医者さんに相談してみるのもひとつです。

まとめ

髪にとってヘアサイクル・毛周期というのはとても重要なポイントになってきます。ヘアサイクル・毛周期にはそれぞれ期間があり、それが乱れることによって薄毛などの髪の問題につながってくるのです。ヘアサイクル・毛周期を乱さないように、今日からでも健康的な生活習慣を実践していきたいものです。