生活習慣

貧血でハゲる?その薄毛の原因は実は貧血かも

貧血というと女性がなるものと思っている方もいるかもしれませんが、貧血自体は女性特有のものではなく、男性でもなるものです。というよりも、今の時代は日々の食事で十分な栄養を摂取するのが難しくなっているので、性別に関係なく、誰にでも貧血になる可能性があると考えておいたほうがいいでしょう。
男性にとってハゲるかハゲないかというのは大きな問題なのですが、実はこのハゲに貧血が関係しています。というのも、結論から言ってしまうと貧血でハゲる可能性があるのです。

なぜ貧血でハゲるのか?

では、なぜ貧血でハゲてしまうのでしょうか。もともと貧血というのは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが不足することによって起こるものです。
赤血球には酸素を運ぶ働きがあるということについては、学生時代に勉強したかと思います。ヘモグロビンが不足することによって、この働きが十分におこなわれないようになり、全身に酸素を送りにくくなってしまうのです。
酸素が送られにくくなると、血液循環が悪化していきます。血液循環が悪化することによって、体の末端である手足が冷えるようになります。これによって慢性的な冷え性になっている方も少なくありません。
体の末端というと手足のみと思われがちなのですが、頭も末端にあります。実際に、頭というのは心臓から離れたところにあります。つまり、頭皮の血流も悪化するわけです。
頭皮の血流が悪化すると、冷えが起こりますし、髪を作るにあたって重要な毛根の部分に栄養が行き渡らなくなってしまうのです。頭皮を畑に例えれば、その土壌に十分な栄養がないために作物が育たないという状態です。
健康的な髪が生えてこなくなるだけではなく、すでに生えている髪もどんどん細くなっていきます。その結果、抜け毛が増えて、薄毛になっていくのです。
ちなみに、血流が悪化している頭皮というのは、かたくなります。もし触ったときに頭皮がかたく感じられるようであれば、貧血による薄毛の可能性を考えたほうがいいでしょうし、すぐにも対策をしていくべきです。

ハゲるだけじゃない!貧血の恐ろしい影響

ハゲるというだけで十分に恐ろしい貧血なのですが、他にも貧血は髪に影響を及ぼします。そのひとつが白髪です。というのも、貧血によって白髪が増えるという可能性もあるのです。
貧血にも種類があるのですが、白髪というのは鉄欠乏性貧血によって引き起こされます。その名前の通りなのですが、体内の鉄分が不足するタイプの貧血になります。
もともと鉄分というのは、メラニン色素の中に多く含まれています。メラニン色素は黒髪をも作っていますので、鉄分が不足すると白髪になってしまうのです。
鉄欠乏性貧血が引き起こすのは、白髪だけではありません。休止期脱毛というものを引き起こす可能性もあります。これも名前からして恐怖感を煽られる名前です。
休止期脱毛というのは、成長期にある髪の毛が突然休止期になってしまう脱毛症のことを指します。髪の毛というのは、もともとその9割ほどが成長期にあります。だからこそ、髪が抜けてもそれがそのままごっそりと減るわけではないのです。
しかしながら、成長期にある髪の毛がいきなり休止期になってしまうと、髪が生えにくくなります。髪の毛が抜けた分がそのままごっそりと減ることになりますので、髪全体の密度が低くなってしまうのです。
白髪と薄毛のダブルパンチというのは、かなり厳しいものがあります。どうしても老けて見られますし、もともと頭皮や髪のことを気にしていた方であればかなりのストレスになるでしょう。

ハゲないために貧血の予防をしていこう!

ハゲないためにも貧血の予防をしていきたいのですが、まずは食生活を見直していきましょう。バランスのとれた食生活というのは大前提で、その上で鉄分をたくさん摂取するようにしていくべきです。
鉄分にも種類があって、肉や魚などの動物性食材に含まれるのがヘム鉄と呼ばれるもの、野菜や海藻などの植物性食材に含まれるのが非ヘム鉄と呼ばれるものです。一般的には非ヘム鉄よりもヘム鉄のほうが吸収しやすいと言われています。
ただ、食事から鉄分を摂取すると考えたときには、やはり非ヘム鉄のほうが取り入れやすいものです。吸収率があまりよろしくない非ヘム鉄ですが、他の栄養素との組み合わせによってその吸収率をアップさせることができます。
ビタミンCは吸収されにくい非ヘム鉄を吸収されやすいヘム鉄に変えてくれますし、果実酸やクエン酸はキレート作用によって鉄分を吸収しやすい状態に変えてくれます。あれこれ考えるのが難しいという場合には、サプリメントにサポートしてもらうというのもひとつの方法です。
ちなみに、鉄欠乏性貧血の場合には病院で内服薬を処方してもらったり、注射をしてもらったりといった治療で改善していきます。ただ、どちらにせよ日頃の食生活の改善というのは意識していくべきでしょう。

要注意!鉄分吸収を妨げる成分もあるんです!

基本的には食生活の改善が貧血の予防につながってくるのですが、実は鉄分の吸収を妨げる成分というものもあります。せっかく鉄分を摂取してもその吸収を邪魔されたのでは意味がありませんので、注意しておきましょう。
まず挙げられるのがシュウ酸です。ほうれん草やさつまいも、キャベツなどに含まれているのですが、鉄分の吸収を邪魔してしまうので避けるようにしましょう。ただ、湯通しすればほとんどのシュウ酸は抜けてしまいますので、調理法に気を付けておくといいでしょう。
次に、タンニンです。これは本当にいろいろなものに含まれています。緑茶や紅茶、コーヒーなど日頃からよく飲むドリンクに含まれていますので、こういったドリンクは食事中に飲むのを控えるようにしましょう。
そして、お通じ改善のイメージが強い食物繊維も鉄分の吸収を妨げます。食物繊維を過剰摂取すると鉄分を一緒に体の外へと排出してしまいますので、注意しておきましょう。
基本的に上記の成分をちょっと摂取してしまったからといって、鉄分の吸収がすべてダメになるわけではありません。あくまでも過剰摂取してしまうといけませんよという話です。栄養バランスのとれた食事を心がける上で鉄分の吸収を妨げる成分の摂取というのは仕方のない部分もあるのですが、できる限り意識はしておきましょう。

まとめ

今まさにハゲているという方の中には貧血でハゲてしまっている方もいるはずです。貧血はハゲるだけではなく、白髪や休止期脱毛といったものも引き起こします。
食生活を見直して、貧血の予防をしていきましょう。場合によっては病院へ行くことも検討しておきたいものです。