女性が「最近肌のハリが・・・」と思ってしまうのと同じように、男性は「最近抜け毛が・・・」と思ってしまうものです。実際に、髪の問題というのは男性にとって身近なものです。もちろん、正直なところは身近な問題であってほしくないという方がほとんどでしょう。
ただ、髪の問題というのは何も男性に限ったことではないのですが、男性のほうが起こりやすいですし、悩みやすいと言えるでしょう。もし男性で「最近ハゲてきたかも・・・」と思っている方がいれば、それはズバリAGAかもしれません。ここでは、AGAとその原因や対策についてご紹介していきたいと思います。
そもそもAGAって何?
そもそもAGAとは何なのでしょうか?テレビコマーシャルなどでよく見聞きするようになったAGAなのですが、AGAというのは「Androgenetic Alopecia」の略称で、男性型脱毛症とも呼ばれています。若い方であれば「若ハゲ」、中高年の方であれば「壮年性脱毛症」と呼ばれることもあります。ちなみに、AGAの初期症状は以下のようなものです。
- 抜け毛が多くなった
- 生えている髪も抜けた髪も細くなった
- 髪が柔らかくコシがなくなった
- 地肌が目立つようになった
- 生え際やつむじが薄くなってきた
AGAというのは、いきなり大量に髪が抜けるといったものではありません。徐々に進行していくので、気づきにくい部分があります。AGAになってしまえばそれが自然治癒することはありませんので、放っておくとどんどん悪化していくだけです。その点は、虫歯と同じと言えるかもしれません。
AGAの原因と対策
もちろん、男性のハゲが絶対にAGAであるとは限りません。しかしながら、男性型脱毛症と呼ばれるくらいですから、やはり可能性としてはかなり高いと考えていいでしょう。だからこそ、その原因と対策というものをしっかりと理解しておくべきです。AGAの原因というのは、ざっくりとまとめると以下のような感じになります。
- 男性ホルモンによるヘアサイクルの乱れ
- 不健康な生活習慣
- 頭皮環境の悪化
あとで詳しくご説明していきますが、これらの原因でAGAが起こるからこそ、これらの原因にアプローチすることがAGAの対策となってきます。言葉にしてしまえば簡単なのですが、思っている以上に実践していくべきことや意識していくことは多いものです。気を引き締めてまいりましょう。
AGAの原因その1~男性ホルモンによるへアサイクルの乱れ~
AGAの主な原因というのは、男性ホルモンによるヘアサイクルの乱れです。男性ホルモンにもいろいろなものがあるのですが、その中のひとつにテストステロンというものがあります。このテストステロンが5α-リダクターゼという酵素の働きかけによって、ジヒドロテストステロンというものに変わってしまいます。
このジヒドロテストステロンが髪の成長を抑制してしまい、脱毛のサイクルを早めてしまいます。これによって、ヘアサイクルが乱れてしまい、薄毛が進行していくのです。
ジヒドロテストステロンは性欲の減退をも引き起こす!
ジヒドロテストステロンによって薄毛が進行するのですが、実はジヒドロテストステロンはそれ以外にも男性に影響を与えます。それが性欲の減退です。髪はもちろんですが、この性欲の減退というのも男性にとっては大きなダメージになります。
セックスレスで彼女と別れてしまうこともあるかもしれませんし、家庭を持っている方であれば離婚という文字もよぎります。それくらい性欲の減退というのも大きな問題になってくるのです。薄毛と同時に、「最近ムラムラしないな~」と思ったらジヒドロテストステロンの影響をもろに受けているのかもしれません。
AGAの原因その2~不健康な生活習慣~
今の時代、健康的な生活習慣を実践できている方というのはそういないでしょう。どちらかというと不健康な生活習慣に慣れてしまっているという方のほうが多いのではないでしょうか?実は、直接的ではないものの、不健康な生活習慣もAGAにつながってきます。
- 偏り乱れた食生活
- 運動不足
- 睡眠不足
- ストレス
- 飲酒
- 喫煙
上記のような生活習慣が当たり前になっている方も多いのではないでしょうか?当てはまるものが多ければ多いほど、AGAが進行しやすくなります。では、それぞれの生活習慣が具体的にどう影響を与えるのが見ていきましょう。
偏り乱れた食生活
偏り乱れた食生活というのは、まず栄養不足に陥ります。もともと髪や頭皮というのは、生命維持には関係ないところです。極端な言い方をすれば、ハゲてしまっても死にはしないということです。
そのため、栄養不足になると頭皮や髪に栄養が行き渡らなくなります。栄養が不足すれば体の中の血流も悪化しますので、余計に栄養が届かなくなってしまう部分もあります。
運動不足
運動不足の方も多いかと思います。運動不足も血流の悪化を招きます。もともと頭というのは末端にありますので血液が行き渡りにくいのですが、血流が悪化することによってよりいっそう行き渡りにくくなります。
また、運動不足から肥満になってしまうと余計に薄毛のリスクも高まります。まれに石塚英彦さんのように健康的な肥満体型の方もいますが、レアケースです。基本的には肥満と同時に健康を損ねていると考えたほうがいいでしょう。
睡眠不足
睡眠不足も薄毛には悪影響を与えます。寝ている間というのは、頭皮を含めて体が日中に受けたダメージをリカバリーしていきます。睡眠不足になると、そのリカバリーができなくなってしまいます。
当然、健康状態も悪化していきますし、ホルモンバランスやホルモン分泌といったものも乱れていきます。頭皮だけではなく、心身ともにさまざまなところにダメージを受けることになります。
ストレス
ストレス社会と呼ばれるようになって久しいですが、今の時代は本当に多くの方がかなりのストレスを抱えているものです。目に見えないストレスではありますが、これも確実に体へと影響を与えてきます。ストレスでハゲるというのは、実際にあり得ることです。
大きなストレスを受けると、人間の心身は緊張状態になります。神経も過敏になりますし、筋肉もかたくなります。これによってホルモンバランスやホルモン分泌も乱れますし、血流も悪化してしまいます。
飲酒
飲酒というのは適度であればいいのですが、飲み過ぎてしまうとやはり体に負担をかけることになります。お酒がよくないという話をすると「酒は百薬の長」という言葉を持ってくる方も多いのですが、何においても飲み過ぎれば害となります。
健康的な髪や頭皮というのは、健康な体があってこそのものです。お酒を飲み過ぎて体を悪くしてしまえば、髪や頭皮の状態も当然悪くなっていきます。体の状態と髪や頭皮の状態はリンクするものと考えておきましょう。
喫煙
男性の中には喫煙者の方も多いでしょう。「かっこつけて吸ってたらタバコなしじゃダメな体になってしまった・・・」という方もいるかもしれません。タバコは本当に「百害あって一利なし」の代物です。
タバコによって体の中で酸素が不足しますし、血流も悪化してしまいます。本来頭皮や髪に届けられるはずの栄養や酸素が行き届かなくなってしまいます。タバコは思っている以上に影響が大きいということを理解しておきましょう。
AGAの原因その3~頭皮環境の悪化~
髪が作物であれば、頭皮というのは畑の土壌です。当然、頭皮環境が悪化してしまえば、そこから生える髪というのも出来が悪くなってしまいます。健康的な頭皮環境にこそ、健康的な髪が生えてくるのです。頭皮環境を悪化させるのは、以下のようなものです。
- 合わないシャンプー
- 間違った洗い方
- 頭皮の血行不良
合わないシャンプー
最近ではいろいろなシャンプーが出ていますので、自分に合うものを見つけるのは難しくなっています。せっかく購入したシャンプーが合わないということもあるでしょう。中にはそういった合わないシャンプーを「もったいないから」とムリして使っている方もいるのではないでしょうか?
合わないものをムリして使っていると、当然、頭皮環境も悪化してしまいます。頭皮が乾燥して、そこから皮脂が過剰に分泌されるようになり、さまざまな頭皮トラブルを起こす可能性もあるのです。
間違った洗い方
間違った洗い方をしている方も少なくありません。シャンプーをそのまま頭皮や髪に乗せて、そこで泡立てているという方も多いでしょう。力強くガシャガシャと洗って、雑に洗い流す・・・こういった洗い方をしていれば、頭皮環境は悪化する一方です。
必要な皮脂までも落としてしまいますし、残ったシャンプーで頭皮にトラブルが起こることもあります。男性に多く見られる自然乾燥というのも雑菌を繁殖させ、頭皮環境を悪化させてしまいます。
頭皮の血行不良
先でもお話ししましたが、頭というのは体の末端です。もともと血液が行き渡りにくい場所なのです。そういう場所で血行不良が起これば、ますます血液が行き届きにくくなってしまいます。
健康的な髪や頭皮には、栄養と酸素が必要です。そして、その栄養と酸素というのは血液に乗って運ばれてくるのです。頭皮の血行不良によって、必要な栄養と酸素が行き渡らなくなり、頭皮環境が悪化してしまうのです。
AGAの対策その1~クリニックでのAGA治療~
さて、いよいよAGAの対策ですが、まず挙げられるのはAGA治療です。ご存知のように最近ではAGAクリニックといったものもかなり身近になりました。AGAクリニックでのAGA治療では、以下のような国により発毛効果があると認められている発毛成分が含まれているものを処方されることになるかと思います。
- フィナステリド
- デュタステリド
- ミノキシジル
フィナステリドはジヒドロテストステロンの生産を抑制すると言われており、デュタステリドはその効果がフィナステリドよりも期待できると言われています。ミノキシジルは血行促進と細胞の活性化によって発毛効果が期待できる成分です。
これらの成分が含まれているものを個人輸入などで入手することもできるのですが、危険なのでやめておきましょう。AGAクリニックで処方してもらうのが一番安心です。
AGAの対策その2~生活習慣の改善~
生活習慣の改善をおこない、健康的な生活習慣を心がけることもAGAの対策となります。不健康な生活習慣が身についている方であればあるほど、生活習慣の改善は大変だと思います。ただ、大変でも頭皮や髪だけではなく心身にとってもプラスとなりますので、ぜひ実践していきましょう。
- 栄養バランスのとれた食生活
- 適度な運動
- 十分で質のいい睡眠
- ストレスをこまめに発散する
- 禁酒
- 禁煙
上記のように特別なことは必要なく、ごく普通の健康的な生活習慣です。ちなみに、社会人の方であれば、仕事の付き合いでお酒を飲むこともあるでしょう。禁酒が難しい場合には、どうにか適量で抑えるという形を目指していきましょう。
AGAの対策その3~頭皮環境を整える~
頭皮環境を整えることもAGA対策となります。こちらも生活習慣と同じように特別なことは必要ありません。以下のようなことを実践していきましょう。
- 自分に合った低刺激なシャンプーを使う
- 正しい洗い方を実践する
- 頭皮マッサージをする
見つけるのは大変かもしれませんが、自分に合った低刺激なシャンプーを使うようにしましょう。それを使って、正しい洗い方を実践していきます。正しい洗い方は以下のような形になります。
- ブラッシング
- お湯のみで予洗い
- 手で泡立てたシャンプーで頭皮を洗う
- しっかりとすすぐ
- タオルで抑えるように水気を取る
- ドライヤーの冷風と微温風を使ってしっかりと乾かす
指の腹を使って優しく丁寧におこなっていきましょう。頭皮マッサージも同じように指の腹を使って優しく丁寧におこなっていきます。摩擦が起こらないように、ツボ押しをするような感覚でおこなっていくといいでしょう。
AGA対策をしても効果がないときには皮膚科へ!
先でもお話ししましたが、男性の薄毛はAGAであることが多いのですが、だからといって常にAGAであるとは限りません。AGAではない可能性もあります。AGA対策をおこなっても効果がないときには、別の原因で薄毛になっているかもしれません。
そういうときには、皮膚科を受診するようにしましょう。男性の場合には脂漏性皮膚炎などで薄毛になるケースも少なくありません。体の問題なのですから、恥ずかしがらずにしかるべきところへ行くことが大切です。
まとめ
男性が「ハゲてきたかも・・・」と思ったら、それはAGAかもしれません。実際にAGAでハゲる男性は多いので、AGAの原因を知り、対策を実践していきましょう。ただ、AGAではない可能性もありますので、AGAの対策をしても何の変化もないというときには皮膚科を受診するようにしましょう。