薄毛というと男性の悩みと思っている方も多いでしょう。
しかしながら、薄毛というのは女性にも起こり得る問題です。
「年を取れば誰でもね・・・」と思っている方もいるかもしれませんが、20代といった若い世代の女性でも薄毛に悩んでいる方は多いのです。
基本的に女性の薄毛にはいろいろと共通点があるのですが、20代女性の薄毛となってくると少しだけ事情が異なってきます。
20代だからこその理由で薄毛になっているケースもあるのです。
その中でもここでは、牽引性脱毛症というものにスポットを当てていきたいと思います。
20代女性が薄毛になる理由って何?
一般的に女性の薄毛というと、「びまん性脱毛症」というものであるケースが多いです。
もともとびまん性脱毛症というのは、加齢による薄毛の症状になります。
加齢によってホルモンバランスが乱れるようになり、女性ホルモンよりも男性ホルモンが優位な状態になることによって起こります。
ただ、20代女性に加齢による薄毛というのは早いでしょう。
もちろん、起こらない可能性がまったくないわけではないものの、一般的に考えて20代で加齢による症状が起こる可能性はそう高くありません。
実際に、20代女性の薄毛には別の原因があるのです。
ダイエット
20代というのは、一番見た目を気にする時期でもありますので、ダイエットにのめり込む女性も多いのではないでしょうか。
健康的なダイエットであれば問題はないのですが、不健康なダイエットをおこなっているとそれによって薄毛が起こることもあります。
ダイエットにもいろいろな方法がありますが、定番の方法がやはり食事制限です。
最近では断食といったものも注目されるようになっています。
激しすぎる食事制限や断食をおこなうと、栄養が足りなくなりますし、摂取した栄養も髪や頭皮まで届かなくなってしまいます。
また、もともと人間の体というのは、生命維持に必要な臓器が優先されるようになっていますので、髪や頭皮というのは後回しにされてしまいます。
髪や頭皮の分まで栄養を確保することができなくなってしまうのです。
その結果、髪にとっての登場である頭皮も不健康になり、髪も育たなくなり、薄毛となってしまうのです。
ダイエットで極端な食事制限や断食をおこなっていると、しばらく経って、異常に髪が抜けるようになったという話は実際によくあるものですし、最近では糖質制限ダイエットが流行っていますが、これによって成長期の髪が休止期に移行してしまい、本当に髪が根こそぎ抜けてしまうというケースもあるのです。
これを休止期脱毛と呼びます。
ダイエットで筋肉量が減ってしまうと、新陳代謝も落ちていきます。
新陳代謝が落ちてしまうと、髪の成長には欠かせない毛母細胞の分裂にも悪影響が出てきますので、不健康なダイエットというのは、本当にいいことなしなのです。
ストレス
ストレスは万病のもと、とよく言われています。
実際に、ストレスによって20代女性の薄毛が引き起こされるケースも多いのです。
特に、20代というのは自分自身へのストレス、他人へのストレス、学業や仕事などいろいろなところでストレスを感じやすいものです。
ストレスも適度なものであれば問題はないのですが、ストレスがたまってしまうと自律神経のバランスが乱れてしまいます。
これによって、頭皮の血行が悪化してしまいます。
頭皮の血行が悪化すれば、栄養や酸素が行き届かなくなり、薄毛になりやすくなるのです。
髪に必要な成分としてよく知られている亜鉛ですが、ストレスによって亜鉛を大量に消費することもあり、髪が育ちにくく、また白髪にもなりやすいのです。
さらに、ストレスによってアドレナリンが過剰分泌されることもあり、これによって頭皮の皮脂が過酸化脂質に変えられてしまいます。
過酸化脂質は、通常の皮脂よりも毛穴に詰まりやすく、抜け毛や薄毛を進行させてしまいます。
睡眠
睡眠をまったくとっていないという方はいないでしょうが、十分な睡眠をとれていないという方はかなり多いかと思います。
十分な睡眠を確保できないと、日中に受けた髪や頭皮のダメージというのは改善されにくくなります。
本来であれば寝ている間に修復されるものが修復されないままになってしまうのです。
睡眠が不十分になっていると、髪の成長に影響のある女性ホルモンも減ってしまいます。
女性ホルモンが減ってしまうと、髪が細く抜けやすい状態になってしまいます。
睡眠の質が悪い、そもそも睡眠時間が確保できていないという女性は要注意です。
ピル
ピルというと、避妊のために飲むというイメージがありますが、最近では女性ならではの体の不調のためにピルを飲むという方も多くなっています。
避妊のためではなく、生理周期を落ち着けたい、生理の諸症状を軽くしたいといった理由で飲んでいる女性も多いのです。
しかしながら、ピルというのは言うまでも女性ホルモンに影響を与えるものです。
そのため、ピルを一定期間使用後、急にその服用を中止すると女性ホルモンの分泌量が大きく変わってきます。
これによって抜け毛が増え、薄毛になることがあります。
20代女性でピルを飲んでいる女性は多いでしょうから、このピルが薄毛の原因となっているケースもあるのです。
ヘアスタイリング
20代女性であれば、ヘアスタイリングに力を入れているという方も多いのではないでしょうか。
地毛でいろいろな髪形にチャレンジしている方もいれば、エクステなどを使っているという方もいるでしょう。
こういったヘアスタイリングで、髪や頭皮に負担をかけてしまうとそれも薄毛につながってきます。
ヘアスタイリングの際に使うのはスタイリング剤です。
これも結局、髪や頭皮にとっては異物になります。
残ったスタイリング剤のせいで、薄毛になるということもありますので注意が必要です。
中でも20代女性に多いのが牽引性脱毛症!
生活習慣の乱れやダイエット、スタイリングによっても20代女性の薄毛というのは起こります。
しかしながら、その中でも特に多いのが牽引性脱毛症というものです。
牽引性脱毛症というのは、髪を強く引っ張られた状態が続くことによって起こる薄毛です。
牽引性脱毛症になると、頭皮に大きな負担をかけてしまいます。
その結果、髪が細くなりますし、抜け毛が増えてしまいます。
さらには、切れ毛や分け目、生え際などが目立つようになります。
牽引性脱毛症は誰にでも起こり得るもので、有名人でもその疑惑を抱かれている方は多いものです。
若い女性で牽引性脱毛症ではないかと言われているのが元AKB48の板野友美さんと花より男子にも出演していた井上真央さんです。
同じ髪型をしていることが多いですし、仕事柄やはり牽引性脱毛症になりやすい部分もあるでしょう。
ムリやり分け目を変えるのはNG!?
牽引性脱毛症にならないため、もしくは牽引性脱毛症を悪化させないために分け目を変えようと考えている女性も多いのではないでしょうか。
確かに、分け目を変えること自体はとても効果的ですが、ムリやり分け目を変えるのは逆に髪や頭皮にダメージを与えてしまいます。
いつも同じ分け目にしていると、その部分にばかり負担がかかってしまって、その部分での薄毛が進行していきます。
1日2日くらいであれば問題はないのですが、同じ分け目を続けていると長期間、その部分だけに負担が蓄積していくのです。
それも薄毛につながってきますので、この分け目をこまめに変える必要があります。
分け目を変えることによって、一部にかかっていた負担が分散されることになりますので、頭皮や髪を守ることができるのです。
しかしながら、長期間同じ分け目で過ごしてきたという方は注意が必要です。
というのも、長期間同じ分け目で過ごしてきたという方であれば、その分け目が完全に癖になっているかと思います。
それをムリやり変えようとすると、毛根も傷みますし、髪も抜けそうになりますので、要は、分け目を変えること自体も負担になってしまうのです。
そうなってくると、負担をかけずに分け目を変えることが必要になってきますが、その場合にまず考えられるのが髪を濡らした上で分け目を変えるという方法です。
髪を濡らすと、乾燥しているときよりも簡単に癖がとれますし、髪を濡らした上で分け目と逆から乾かしていくというのもより効果的な方法になります。
濡らした髪をドライヤーで乾かすときには、分け目のある逆のところから乾かす、髪の根元から乾かすことを意識しつつ、ドライヤー後に分け目が濡れていると癖が戻ってしまうので、完全に乾かすようにしておきましょう。
他に20代女性の薄毛を改善する方法は?
先ではこまめに分け目を変えることについてお話ししましたが、他にも20代女性の薄毛を改善する方法はあります。
まず基本となるのが生活習慣の改善です。
栄養バランスのとれた食事に十分な睡眠、ストレス解消を心がけるようにしましょう。
栄養バランスのとれた食事
当たり前のことなのですが、栄養バランスのとれた食事を毎日3食きちんと食べるようにしましょう。
髪や頭皮も含めて、人間の体というのは毎日の食事から作られているのです。
髪や頭皮に欠かすことのできないビタミンB群やビオチン、亜鉛といったものを意識した食事にするとなおいいでしょう。
ビタミンB群に含まれるビタミンB2やビタミンB6は、毛母細胞の成長をサポートしてくれます。
また、たんぱく質が髪になる働きを促進してくれます。
ビタミンB群全般を摂取するようにしつつ、ビタミンB2は牛肉や豚肉、鶏のレバー、卵、納豆、乳製品などから、ビタミンB6はにんにくや牛肉、豚肉、鶏のレバー、まぐろなどから摂取していきましょう。
ビオチンは、血管の新陳代謝を活発にしてくれます。
これによって、頭皮や髪の健康を維持できるだけではなく、寿命を延ばすこともできるのです。
ビオチンはコラーゲン生成にも関係しているので、女性らしいハリやコシのある髪を作ってくれます。
一般的にも髪にいいとされている亜鉛は、体の中のたんぱく質を髪に変えてくれます。
いくら栄養を摂取しても、亜鉛が不足してしまうと髪が生成されなくなってしまいますし、抜け毛や薄毛だけではなく、白髪になる可能性もありますので、牡蠣や豚肉のレバー、牛肉などから積極的に摂取していきましょう。
十分な睡眠とストレス解消
あとは、ゴールデンタイムと言われている夜の10時から夜中の2時には寝ておくことです。
睡眠不足は髪にも肌にも悪影響を及ぼします。
ストレスをためこまないように発散させつつ、お酒やタバコといったものも控えるようにしましょう。
ストレスは万病のもとです。
ストレスによる体の変化というのは薄毛を進行させます。
見えないものだからこそ常に意識していきましょう。
正しいヘアケア
そして、正しいヘアケアも実践していきましょう。
ヘアケアというと特別なことのように思われがちですが、毎日のシャンプーも立派なヘアケアになります。
毎日正しいシャンプーを実践することができれば、それだけ薄毛を遠ざけることができるのです。
逆に、毎日のシャンプーのやり方が悪いと、髪や頭皮の汚れが残ったままになります。
汚れが残ったままになると、毛穴は塞がってしまいますし、抜け毛や薄毛も悪化していきます。
泡立てたもので優しく頭皮を洗い、しっかりとすすぐという正しいシャンプーの仕方を身に着けてきましょう。
特に、シャンプー後のすすぎ残しは、NGです。
毛穴を詰まらせてしまうだけではなく、頭皮が炎症を起こしてしまいます。
抜け毛や薄毛を悪化させてしまいますので、すすぎは徹底しておきましょう。
シャンプー選びと育毛剤
シャンプーの選び方にも注意しておきたいものです。
話題になっているものや評判になっているものが必ずしもいいとは限りません。
基本的には自分に合うシャンプーを使わないと意味がありませんので、自分に合ったシャンプーを見つけておきたいものです。
正しいシャンプーのやり方を実践した上で、育毛剤を使うのも効果的です。
育毛剤を使う場合には、石油系界面活性剤や香料、着色料、タール系色素といったものを使っていない優しいものを選ぶようにしましょう。
また、20代女性であれば、オシャレなヘアアレンジを楽しみたいところですが、髪や頭皮に負担のかかるヘアアレンジを避けるという基本的なところも忘れないようにしておきたいものです。
女性クリニックの受診
そして、女性向けクリニックの受診です。
「そこまでしたくない!」という方もいるかもしれませんが、薄毛が少しでも気になるようであれば女性向けクリニックの受診をオススメします。
薄毛というのは進行してしまってからでは改善が難しくなってきます。
おそらく女性向けクリニックへの抵抗感を持っている方というのは、「恥ずかしい」「何をされるのかわからない」「馬鹿にされるのではないか」といった部分がネックになっているのではないでしょうか。
多くの女性が薄毛で悩んでいる今の時代、薄毛というのは恥ずかしいことではありません。
きちんとしたクリニックであればカウンセリングや相談から入っていきますので不安がる必要もありませんし、親身に対応してくれるので馬鹿にされるということもありません。
「お風呂に入るのは気持ちいいけど、入るまでがめんどくさい」といった話を見聞きしたことのある方も多いでしょうが、感覚としてはそれに似ています。
実際に、行ってしまえばどうということはないのです。
ぜひ、一度女性向けのクリニックも検討してみましょう。
まとめ
20代の女性は、生活習慣やダイエットなどさまざまな原因で薄毛になるものですが、その中でも特に多いのが牽引性脱毛症です。
ヘアアレンジを楽しみたい年頃だからこそなりやすいものです。
生活習慣の改善や正しいヘアケアの実践に加えて、女性向けのクリニックの受診も検討してみましょう。